私たちは大学の価値を「過小評価しがち」だが

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教師から「愚かな質問などない」といわれたことがあるだろう。それが本当かどうかは別として「大学は価値があるのか?」という問いは、まさに「愚かな質問」にかなり近いものだ。

答えは「イエス」だ。

回答として、大学の学位は価値があることを明確にしたい。大学に行っても学位が得られないということは、ほとんどない。そして、すべての学位がすばらしい報酬をもたらすわけではないことを明確にする必要がある。営利目的の大学や多くの営利目的のキャリアスクールの学位は、悪名高く、期待どおりの良い経済的報酬を与えることはない。

また、大学の「価値」は決して金銭だけで測るべきではないという注意書きも必要だ。大学の価値は、収支をはるかに超えるものだ。しかし、そのような狭い基準であっても、答えは「イエス」だ。

この質問とそれに対する明確な答えは、米国国勢調査局とミシガン大学による研究結果から導かれた非営利団体Hechinger Reportの報告によって、再び話題に上るようになった。その結果、公立フラグシップ大学で学位を取得することの経済的メリットが、10%程度過小評価されていることがわかった。

フラグシップ大学とは、ペンシルベニア州立大学、フロリダ大学、テキサス大学オースティン校など、私たちが考えているような大きな州立大学のことだ。これらの学校は、特に同じ州の他の公立学校と比較した場合、通常、所得にボーナスを提供してきた。このボーナスは、我々が考えている以上に大きいかもしれない。州自身の計算でさえ、その州を代表する名門校に十分なボーナスを与えていなかった。

10%というと大したことないと思うかもしれないが、生涯の収入に換算すると、何十万ドル(何千万円)にもなり、家を買ったり、孫を私立大学に通わせたりするのに十分な金額である。これは大きい。

Hechinger Reportは、大卒者の将来の賃金収入を計算するモデルの多くが実際には推定値であり、実際の数字を下回っていることが多いことを正しく指摘しているように、おそらく10%よりもさらに大きな数字だろう。つまり、さまざまなウェブサイトや研究者が、大卒の賃金について述べているのは、おそらく過小評価であるということだ。政府の公式なものでさえ、低く見積もっている。

では、大卒の学位にはどんな価値があるのか?

実は、かなりの価値だ。
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翻訳=上西 雄太

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