米大学の「コスパ」ランキング、プリンストンが1位 公立も健闘

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米大学をコストパフォーマンス(費用対効果)で順位付けしたランキングが、大学情報サイト「ディグリー・チョイシズ」により発表され、プリンストン大学が1位になった。一方で公立校も健闘し、トップ25校のほぼ半数を占めた。

ディグリー・チョイシズは、進学希望者やその家族、一般消費者向けに、各大学と卒業後の進路についての情報を提供する比較的新しい会社で、筆者はコンサルタントとして同サイトのコンテンツに関わっている。ランキングでは、米教育省による「大学スコアカード」や全米高等教育包括データシステム(IPEDS)などの公開データから、全米2000校以上の学士課程を二つの側面から分析した。

一つ目は「回収期間」で、学費として投じた額を卒業後に取り戻すまでの年数。二つ目は「収入の差」で、卒業後の収入が同じ州内の大学の加重平均と比べて何パーセント高いか低いかを算出した。この「回収期間」を「収入の差」のパーセンテージで割り、ランキングのベースとなるスコアとした。

よって、州平均よりも高い収入を得られる大学は、スコアが「回収期間」よりも低くなる。本ランキングでは、スコアが低い大学が上位となる。以下は、上位25位までのランキングだ。(かっこ内の数字はスコア)

1位 プリンストン大学(0.31)
2位 スタンフォード大学(0.36)
3位 ニューヨーク市立大学シティカレッジ(0.39)
4位 フロリダ大学(0.45)
5位 ジョージア工科大学(0.49)
6位 マサチューセッツ工科大学(0.50)
7位 カリフォルニア工科大学(0.52)
8位 ミシガン大学(0.70)
9位 デューク大学(0.70)
10位 ペンシルベニア大学(0.71)
11位 カリフォルニア大学バークレー校(0.74)
12位 ミズーリ科学技術大学(0.74)
13位 バンダービルト大学(0.75)
14位 ライス大学(0.77)
15位 ジョージタウン大学(0.82)
16位 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(0.83)
17位 カリフォルニア大学サンディエゴ校(0.85)
18位 ノースカロライナ大学チャペルヒル校(0.86)
19位 ワシントン大学(0.88)
20位 ハーバード大学(0.89)
21位 バージニア大学(0.89)
22位 イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(0.90)
23位 フロリダ工科大学(0.91)
24位 コロンビア大学(0.91)
25位 イェール大学(0.91)

注目すべきは、上位25校のうち13校が公立大学という点だ。これは、USニューズ誌による大学ランキング(上位25校のうち公立は4校)や、ウォール・ストリート・ジャーナルとタイムズ・ハイヤー・エデュケーションによるランキング(同1校)、フォーブスの大学ランキング(同6校)よりも多い。

経済的利益は、大学進学を決める唯一の理由ではないし、大学の良し悪しを決める唯一の基準にもならない。しかし、進学希望者の意思決定における経済的側面が重要度を増している今、ディグリー・チョイシズのランキングは米国の大学のコストパフォーマンスを総合的に比較する上で役立つものだ。

編集=遠藤宗生

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