ライフスタイル

2022.11.12 13:00

「なぜ生理はタブー視されるのか」 映画監督・朴基浩、ナプキンを装着して生活も

田中友梨

——私も生まれつき生理がない原発性無月経で妊娠をしたんですが、不思議な奇跡ですよね。女性自身がそれぞれ特有の性の悩みを抱く中、朴さんが男性の当事者として「男性優位」の社会であることに気づいて、身近な、日々の生活から変えていこうとしていることは小さな希望だと感じます。



:僕自身もまだまだしょーもないプライドが顔を出すこともあるし、マッチョな世界で下駄をはかされていることをつい忘れてしまうこともあります。でもこの映画を撮ってよかったと思うのは、ひょっとしたらあの人もそうかもしれない、と想像力が働くようになったこと。例えば一緒に仕事をする女性のパフォーマンスがよくなかったとき、「なんでこんな調子が悪いの?」と思ってしまっていたところが、「今日は調子が悪いのかもしれない」という仮説を立てられるようになった。見える世界の視点が増えて、相手に対してやさしい気持ちになれるんです。ステップバイステップでそういう小さな変化を積み重ねていくしかないと思っています。

——一歩一歩、ですね。これから取り組んでいきたいテーマはあるんでしょうか?

:実はいま、「包茎」をテーマにした映画を撮っています。包茎の手術を受けて失敗して、性感を失ったある男性を2年間追っているんです。そこにも「男性中心主義」の考え方が垣間見えて、今回のテーマともつながっていると思いますね。出来上がったら、ぜひ観てほしいです。

文=徳 瑠里香

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