ライフスタイル

2022.10.29 18:00

広がる生理の選択肢 あえて「止める」選択も


生理用品の選択肢も海外では、「生理の貧困」を解消するナプキンの洗浄キッドやオーガニックコットン100%のナプキンとタンポンを掛け合わせたタンプライナー、竹やバナナの繊維でできた月経パッドなど、より広がっています。日本にはまだ上陸していませんが、今後上陸するかもしれない、注目の生理用品をご紹介します。



月経ディスク

月経カップの進化版とも言える、膣内で経血を受け止めるタイプの生理用品。ゴム製のリングに経血を溜めるフィルムがついています。月経カップと同様、最大12時間ほど着用可能で、タンポン4本ほどの経血を受け止めることができます。

使用後はメーカーによって月経カップのように洗浄をして繰り返し使えるものもあれば、使い捨てのものもあります。リングは直径6.0〜7.5cmほどあり大きく感じますが、やわらかい素材で縦に折り曲げて挿入するので、タンポンを挿入するのとさほど変わりません。

実際の商品はこちら:SHE PERIOD、INTIMINA

生理痛を緩和するウェアラブルデバイス

下腹部に貼ることで生理痛の緩和が期待できるウェアラブルデバイス。たとえば、イスラエル発の『Livia』は、音楽プレイヤーのようなカラフルでコンパクトな本体から伸びる2本のコード、その先端にある吸盤パッドを腹部に張り、緩やかな電流を流すもの。その微弱電流が痛みをつかさどる脳の伝達を止め、一時的に脳が痛みを認知しにくくなり、生理痛の痛みが緩和できるのだとか。世界60カ国で展開中。

ほかにも、オーストラリア発の『Ovira』のデバイス『Noha』は、生理痛信号が脳に届くのを防ぐ微弱電流を送る小型のデバイス。医療現場でも使われている、経皮的電気神経刺激療法(TENS)のしくみを使っているとのこと。

「日本ではまだまだフェムテックの認知度は低いように感じます。生理がオープンに語られるようになったり生理用品の選択肢が増えることはいいことだと思いますが、ブームに乗って目先のメリットに飛びつくのではなく、ベースとなるご自身の健康にも目を向けてほしいです。不摂生をしないで十分な睡眠とバランスのよい食事を心がけ、デリケートゾーンに触れるものはコットンなど肌に優しい素材のものにするなど、テクノロジーの力を借りる前に、ご自身でできることもありますから」(宗田先生)


宗田聡先生◎医学博士
広尾レディース院長、茨城県立医療大学客員教授、東京慈恵会医科大学産婦人科非常勤講師。日本産科婦人科学会専門医、臨床遺伝専門医・指導医、産業医、アメリカ人類遺伝学会(ACMG)上級会員(Fellow)。日英論文多数、専門書(翻訳)執筆にも定評があり、一般誌やWEBなどで女性の健康に関する記事を多数執筆。著書には、『産後ママの心と体をケアする本』『産後うつ病ガイドブック』『これからはじめる周産期メンタルヘルス』『31歳からの子宮の教科書』など。


※この記事は、2022年3月にリリースされた「柿の木便り」からの転載です。

文=徳 瑠里香 イラスト=遠藤光太

ForbesBrandVoice

人気記事