「こいつ、パッションがあるぞ」
──当時、Loop Now Technologiesは創業からわずか3カ月。シリコンバレーにはさまざまなスタートアップがある中で、なぜ同社を選んだのですか。
創業者の2人はシリアルアントレプレナーなのですが、当時は2社目であるLoop Now Technologiesを立ち上げたばかりで、事業として何をしようかと議論しているタイミングでした。1社目を売却したことで資産があったのに、「世の中を変えるようなビジネスを、もう一度ゼロから立ち上げたい」というヘルシーな野心を持っていて、僕はそこに共感したんです。
あとは、オフィスに一番早く来て最後まで残って仕事をしているのが彼らだったことも大きいですね。誰よりも働いている2人の姿を見て「とても信頼できる大人だ」と感じました。
──創業者の2人が瀧澤さんを選んだ理由は何だったと思いますか。
「パッション」ですかね。というのも、シリコンバレーは給料がとても高く、人材の引き抜きも多いので、怠慢になってしまう人が多いのが課題なんです。つまり、会社に対する忠誠心がない。
しかし僕は、インターンの時から創業者たちより早くオフィスに来て、遅くまで働いていました。場合によっては、オフィスで寝泊まりすることも。2人からすれば、多くのお金を払っているわけではないインターン生がそこまで貢献してくれるということで「こいつ、パッションがあるぞ」と興味を持ってくれたんだと思います。
「動画は絶対にヒットする」
──「Firework」が誕生した経緯は?
最初の2年半はピボットの期間でした。例えば、to C領域ではTinderのようなデーティングアプリをつくったり、to BではSlackのようなビジネスチャットアプリをつくったりしましたね。
迷走しているように見えますが、軸は「コミュニケーション」でした。世の中が抱えている大きな課題や、世の中を変えるほどインパクトのあるプロダクトの領域は、コミュニケーションに関係したものだと考えているからです。
そして最終的に行き着いたのが、動画のコミュニケーション。2018年にショート動画の配信インフラ事業「Firework」が誕生しました。