Yanekaraは、東京大学大学院工学系研究科に在籍中の松藤圭亮(代表取締役CEO)と、吉岡大地(代表取締役COO)が、2020年6月に設立。
「いますぐアクションを起こさないと手遅れになる」と環境問題に危機感を持ち続けてきた彼らは、「再生可能エネルギー100%の未来へ」を掲げ、この充放電システムを開発した。
現在約30人のメンバーが集まり、圧倒的なスピードでソフトウェアとハードウェアの双方の独自開発を進めているYanekara。創業者の2人に、起業の経緯や夢を聞いた。
──環境問題、特に脱炭素社会の実現に興味を持ったきっかけは。
吉岡: 私は幼少からアウトドア好きの父の影響で、夏は登山、冬はスキーと、自然に触れて遊んできたこともあり、環境問題に興味を持つようになりました。
中学生の頃から、将来は環境問題について先進国のドイツで学ぶと決めて、ドイツのなかでも先駆的なフライブルク大学へ進学しました。
Yanekara代表取締役COOの吉岡大地
松藤:私も子どものころから環境問題に関心がありました。親の話によると、6歳でノートに「地球温暖化を止める」と書いていたそうなので、そのころからですかね。
自分で覚えているのは、小学6年生のときに自由研究でソーラークッキングをやったこと。太陽光でお湯を沸かしてゆで卵をつくったり、コーヒーを淹れたりしました。そのときに、「人は太陽光だけでも暮らせるんじゃないか」と思ったんです。
そして「太陽光と電気が温暖化を解決するカギになるだろう」と、電気について学ぶため、東京大学に進学しました。
──お二人の出会いは?
松藤:大学のゼミの後輩から、「同じビジョンを持っている人がいる」と紹介されたんです。そこから、ドイツにいる吉岡とリモートで日本のエネルギーについての勉強会をするようになりました。
吉岡:そんな中、ある授業で、国連の関連機関であるIPCCが発表した気候変動に関するレポートを読む機会がありました。そこに「2030年までにアクションを起こさなければ、2050年には1.5度〜2度の気温上昇が現実になってしまう」と書かれていて、衝撃を受けたんです。
そこで松藤に「このままでは手遅れになる。自分たちができることをやってみないか?」と電話しました。この時に、「再生可能エネルギー自給率100%」を目指して、太陽光によるEV充電システムをつくるという、Yanekaraの構想が生まれました。
太陽光発電でつくった電力をEVに充電中