ベルギー
ベルギーの労働者は週休3日制の権利を得るかもしれない。同国の複数政党による連立政権が合意した改革パッケージは、労働者が仕返しを恐れることなく、勤務時間外に仕事用デバイスの電源を切り、仕事関連のメッセージを無視する権利を与えている。
ベルギーのアレクサンダー・デ・クロー首相は改革パッケージの発表記者会見で「私たちは2年間、困難な経験をした。より革新的で持続可能、そしてデジタルな経済のための道標をこの合意で示す。その目的は、人々と企業をより強くすることができるようになることだ 」と述べた。同国のピエール・イブ・デルマーニュ労働大臣は決定権は労働者にあるとし「これは従業員の要求で行われなければならず、雇用者が拒否する場合、れっきとした理由を示さなければならない」と述べた。
ベルギーの週休3日制は他の国や企業が制定しているものとは多少異なっている。他国の政府や企業は、残りの4日間をより長く働かせることなく、週のうちの働く日を1日を削った。
だがベルギーのプログラムは、現在の週5日労働を4日に凝縮するものだ。これは、休日分を補うために1日10時間労働を維持することを意味するかもしれない。
この法案はまだ連邦議会で可決されていない。
週休3日制が人々にとって良い理由
週労働時間の短縮は、家族のための時間や、精神的・肉体的な健康を増進するための時間がよりとれることを意味する。「生活」のための時間が増えるということは、給与やキャリアを犠牲にすることなく休息、運動、通院、アウトドアのための時間を確保し、家族を持ち、子どもと遊び、年配者の世話をするということだ。
労働時間の短縮を導入している企業の経営者は、このような効果をリアルタイムで実感している。社員はより積極的に働き、病欠も少なく、燃え尽き症状も少なくなっている。経営学誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』の昨年のグローバル調査では、回答者の89%が「ワーク・ライフが悪化した」と答え、85%が幸福度の低下を指摘し、62%が新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)中に燃え尽き症状を経験したと答えている。