ビジネス

2022.10.01

「週休3日制」は世界の新スタンダードになり得るか

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世界各国の状況


アンドリュー・バーンズとシャーロット・ロックハートによって設立された4 Day Week Globalは、週休3日制を支持する草の根組織を立ち上げた。「企業の生産性や労働者の健康を改善し、より強い家庭とコミュニティを築き、男女平等問題に挑戦し、より持続可能な労働環境に取り組む新しい働き方」とうたっている。

バーンズはニュージーランドにある自身の会社「パーペチュアルガーディアン」でこの労働モデルを導入し、大成功となったのを目の当たりにした。生産性はアップし、一方で社員のストレスは軽減された。オコナーはバーンズとロックハートからバトンを受け継ぎ、グローバル企業の労働時間短縮への移行を支援するという使命を担っている。「週休3日制は仕事の未来というだけでなく、ますます増えている革新的な企業にとって今ここにあるものだ」とオコナーは話した。

スコットランド


スコットランドでは1月に週休3日制の試験が始まった。与党スコットランド国民党(SNP)の選挙公約が結実したものだ。労働者は労働時間が20%短縮されたが、報酬はまったく減らなかった。SNPはこのプログラムに1380万ドル(約20億円)を拠出した。この試験に参加したスコットランドの団体「Advice Direct」は従業員の幸福度が「向上」し、収益にプラスの影響を与えたと報告している。

スペイン


スペインは週休3日制の試行を行うと発表していた。スペイン政府は、報酬減のない今後3年間の週32時間労働に同意した。スコットランドと同様、この試験プログラムでは労働者が週休3日制に切り替えた際の給与の差額を政府が補填することで労働者のリスクを軽減するつもりだ。この試験は9月に開始される見込みと報道されていた。

日本


スペインに続き、日本も動き出している。日本は週休3日制の導入を検討しており、日本政府がこの動きを主導している。日本の労働文化を考えると、これはいささか驚きだ。米国人は休暇をほとんど取らずに信じられないほど長時間働く傾向にあるが、日本はそれと同じかそれ以上にひどい。サラリーマンの過酷な長時間労働は過労死にもつながっている。

日本マイクロソフトは以前「ワーク・ライフ・チョイス・チャレンジ2019サマー」という短時間勤務制度を試したことがある。同社は社員2300人に「仕事と生活の状況に応じて、さまざまな柔軟な働き方を選択する機会」を提供した。経営陣の狙いは、労働時間が短縮されたときに、それに見合った生産性や士気の向上がみられるかどうかを確認することだった。結果は、労働者の幸福度が上がり、生産性も40%向上するという極めて良好なものだった。
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翻訳=溝口慈子

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