今回は、インドの輸入化粧品「シャナーズ アーユルヴェーダ」の総輸入販売元&卸事業や、フランスのジュエリーブランド「アデリーヌ」の輸入販売事業を営む、松下トレーディング代表取締役の松下聖子さん。
東洋英和女学院短期大学英文科を卒業後、文化服装学院服飾研究科に進み、卒業後に渡伊し、イタリア語とファッションを学ぶ。2011年に自身がデザインするジュエリーブランド「シンティランテ」、2016年にはセカンドライン「レスピロ・バイ・シンティランテ」を立ち上げ、現在、「伊勢丹」「バーニーズニューヨーク」で人気を集めるブランドに成長させたトレンド・セッター。
そんな松下さんの「推しメシ」は、絞りに絞って3つある。
1つ目は、「シャトーレストラン ジョエル・ロブション」のキャビア・アンペリアル。「前菜にサーブされるこの一品は、ロブションの看板メニュー。お皿とお料理が一体になっていて、まるで絵画のように美しくて心が華やぐ一皿です。キャビアの美味しさは勿論の事、甲殻類のジュレとカリフラワーソースが絶品なのです!」
2つ目は、外食を控えていたコロナ禍で迎えた自身のお誕生日に、以前から噂を聞きつけていた松下さんがご主人にリクエストした「松乃鮨」のデリバリー。「握りとおつまみのセットです。事前に自分の好みを伝えたら、好みでオーダーメイドされるスペシャル感が気に入っています。桐の箱に整然と並べられた握りと、小分けされた美しいおつまみは、まるで宝石箱のよう!とっておきのシーンに利用しています」。
そして3つ目は、「MOMOEごはん」のデリバリー。「素敵なボックスに華やかに鎮座するお惣菜やおにぎりに、ハートがくすぐられます。味は保証付きなのですが、食材のプレゼンテーション力に感動しています!」
松下さんが、これ程に次々と食の引き出しがあるのには、経験値の高さ故の理由がある。福井県出身のお母様の作る、紅生姜に胡麻をまぶした俵型おにぎり。上に細かく削ったとろろ昆布を纏ったそれは、冬に送られてくる福井県の越前蟹とあいまって、懐かしい思い出だという。
東洋英和に通っていた中学&高校生の時、中間試験や期末試験中に迎えに来てくれたお母様と食べる六本木ロアビル内「トップス」のシーフードカレーが、試験中の唯一の楽しみだったそうです。「短大の時には、少し背伸びして、飯倉『キャンティ』で、フィアドーネとアールグレイでお茶したり。バジリコやジェノベーゼ味のパスタを覚えたのも、キャンティでした」
イタリア熱が高まって留学したUniversita di Firenzeでは語学を。Intituto Marangoniでは、ファッションを学んでいた。そんな20代の頃、一期一会の食に遭遇したという。
「ミラノ郊外にあるリストランテ『Antica Osteria del Ponte』での出来事は、一生忘れられません。当時留学生だった日本人の私にとって、3時間かけてゆっくりお食事を楽しむイタリア式スタイルは、衝撃的でした。食後のドルチェだけで3種類もサーブされたのも心踊りました!『人生でこんなに沢山の量を一度に食べた事はないね』と、同伴していた両親と笑いあった事を覚えています」