食&酒

2023.09.19

「早・旨・近」でヘビロテのガパオライス MD石井賢介の推しメシ

MD石井賢介の推しメシ タイ料理バンセーンのガパオライス

社会で活躍するリーダーや、著名なビジネスマンのパワーの源は何なのか?彼らのパワーフードから探るシリーズ。

今回は、MDの石井賢介 代表取締役社長の推しメシをご紹介。石井さんは、東京大学農学部を卒業後、新卒で住友商事に入社。2年半勤めた後、P&Gに転職し、アジア本社で「ファブリーズ」や「ジョイ」のブランドマネジメントに従事。インサイト発掘からコンセプト開発、メディア戦略、P/L(損益計算書)まで、包括的に担当していた。

そして2020年5月、「マーケティングを民主化し、お手本を見せる」会社、MDを創業。現在は、200を超える大手クライアントのマーケティングを支援する一方、オンライン調査サービスの提供や、自社ブランドの化粧品事業などを展開している。2020年に書いたnote「【1時間で分かる】P&G流マーケティングの教科書」は、2020年で最もバズったnoteに認定された。

そんな石井さんの推しメシは、西新橋のオフィスから約1分の距離にある「タイ料理バンセーン」のガパオライス。行きつけのランチを探しているなか、偶然店に入ったのがきっかけという。

「新橋という土地柄、昼時はどこもかしこもサラリーマンだらけ。ところが、このお店にはいつ行っても確実に入れるので、忙しい私には魅力でした(笑)。着席してオーダーするやいなや、ものの1分ほどで提供される、吉野家もびっくりのスピード感!本場タイで食べるような本格的な味わいで、ひとくち食べた瞬間、すっかり虜になりました」

それ以来通い続け、会社のメンバーとヘビロテ。今ではみんなのソウルフードとなり、夜も通う贔屓ぶりだ。

幼少期のおふくろの味を伺うと、意外にも葛湯という答えが。

「虚弱体質だった私が熱を出した時に、母親がよく作ってくれた甘い葛湯が、おふくろの味です。学校を休めるちょっとした嬉しさとともに、記憶に残っています(笑)」

そして一期一会の味は、コロナ禍に訪れた赤坂の「鮨まつい」で食べたカツオ。

「コロナウィルスの後遺症で味覚がなくなってしまい、食事が全く楽しいものではなくなりました。そんな時、友人が鮨に誘ってくれたんです。1品目に出てきたカツオを口にした瞬間、驚くほどはっきりと味が感じられて、徐々に味覚を取り戻すきっかけになりました。お店には、生涯に一度だけ足を運んだわけでもなく、それまでカツオが格別好きだったわけでもないのですが、絶望感から光が見えたあの瞬間は、一期一会で忘れられません」

さらに現在、MDでは、幻の徳川献上品である小布施栗、紀州蜜柑、甲州葡萄を使った新しい東京土産菓子の開発や、ビジネスパーソンがコーヒー代わりに楽しめるオリジナルの抹茶ブランドを展開するなど、既成概念にとらわれない商品開発を進めている。そんなビジネス哲学は、石井さん自身の食にも活かされている。

「SNSやグルメサイトの台頭によって、自分が美味しいと思ったものより、人々が美味しいと言っているお店が推奨されるのが、昨今の状況。一見、食体験が豊かになったように思いますが、実は貧しく偏ったものになってしまったと感じています。だから私は、自分軸で体験した推しメシを信じているのです」



タイ料理バンセーン 西新橋店
住所 港区西新橋2-11-8 内田ビル 1F
TEL 050-5869–2821

文=中村麻美

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