今回は、N-ARK/ナーク代表取締役の田崎有城さん。静岡県浜松市に本社を構えるN-ARK/ナークは、気候変動で深刻化する海面上昇と塩害を課題に取り組む、海上建築のスタートアップ企業。近代建築の盲点である「海」に適応する建築を活用すべく、海上ファーム「Green Ocean」の浜名湖での実証実験を進めると同時に、ESGに関してのソリューションコンサルティングを行っている。
田崎代表は、ファイナンス視点を見据えた総合的なハンズオン支援を行うクリエイティブファームKANDO代表も務め、過去には、サイボーグベンチャーMELTINで、国内外でのモメンタム作りに貢献し、20億円余りを調達。2021年、先端研究者をターゲットとしたロングインタビューメディアease-sense/エッセンスを共同創業し、同年N-ARK/ナークも創業した、パワフルな仕事人である。
そんな田崎代表の「推しメシ」は、六本木「小田島」の割烹料理。日本に於いて、割烹×ワインというジャンルのパイオニアです。ムッシュこと小田島稔シェフは、1960年代後半からパリで過ごした後に帰国。数々の和食店を手掛けた伝説の料理人です。現在はムッシュが体調を崩されておりますが、息子さんの小田島大祐さんがしっかりと料理とワインセレクションを引き継ぎ、その世界観を進化せています。
季節毎に変わる品は、どの料理も優しく、メニュー構成が秀逸! 料理とのペアリングが最高! この料理にこのワインを合わせるの? と毎回、驚きと楽しさを体感しています」。
ムッシュが現役の時は食後にムッシュのパリ時代の話や、バブル期の豪快なエピソードを聞く事とか。今は大佑さんとワインや食べ物のあれこれを気兼ねなくお話しさせてもらっています。「この店で友人達とは、ワインを飲みながら、気候変動を踏まえた世界の動乱に対する話で盛り上がります。過去の伝説話・現在のワイン・未来に向けた仕事の話と、過去・現在・未来が三位一体に溶け合う、空気感も、私にとってのご馳走なのです」。
(左:田崎有城さん 右:小田島大祐シェフ)
ツアーコンダクターをしていた母親がスイス土産で買ってきた生チョコの美味しさに衝撃を受けた幼少期や、料理人だった親友が作ってくれた芙蓉蟹(フーヨーハイ)に舌鼓を打った大学時代。最近では、中央アルプスの山の中で見つけた「蕎麦ひねもす」で食べた、刺身のようなテクスチャーの蕎麦、と多岐多様に渡って、食を経験してきた田崎代表。
経験値の高さゆえの哲学が存在する。それは、レストランの選び方ひとつで、その人の知的探究心や文化的教養が露呈される、という事。
「レストランは、フランス語『restaurant』が語源で、『良好な状態にする』『回復する』を意味するそうです。『食』は、人を良くする、と書くので、万国共通の概念。レストランで食を疎かにしたら、ひいては自分自身が荒んでいきますから、『推しメシ』の存在は、とても大切な、生き甲斐の一つです!」。
会食等、外食の機会も多い田崎代表。「初めての方と一緒に何かを食べる行為は、最初緊張しますが、レストランはさっくばらんに価値観を共有出来るので、コミュニケーション・ツールとして大切にしていければ、と思います。いつか、海上オフィスの一角に、仲の良い人達がふらっと立ち寄れて、食べたり飲んだり出来る空間を作るのが夢です!」
小田島
港区六本木7-18-24
03-3401-3345