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2022.09.21 15:30

「広尾学園」卒業生と理事長が語る、高校生活の学びと後悔

Forbes JAPAN編集部

日本人の英語レベルに愕然とした外資系勤務時代


池田富一:板垣退助夫妻が設立した順心女子学園の最後の年、学校改革を行う際に一般企業から転身しました。

いまや海外大学合格者数は国内高校で群を抜く実績を上げていますが、当時の組織風土は驚くほどドメスティック。インターナショナルコースを設けるなど思い切った改革を進めてきましたが、その原点にあるのは、私自身が経験した苦い思いです。

外資系企業時代、自分も含め、日本人の英語の下手さを痛感しました。ほかのアジア人は英語圏の人と互角に議論できるのに、同じように学校で10年間英語を学んでいる日本人はなぜできないのか。その思いから、本校では、実社会で使える英語を習得できるカリキュラムをつくりました。


校内の廊下に全米の大学の奨学金情報が張り出されるなど、海外のキャンパス案内が至る所に。


2018年、創立100周年記念式典での池田理事長。21年には広尾学園小石川中学・高校も開放。

私の高校時代はバスケットボールに明け暮れ、旅行もアルバイトも、女の子と話をすることもありませんでした。失敗したと思うのは、夏季短期留学のチャンスに恵まれたのに、部活を理由に諦めたこと。

10代のときに海外を見ていたら、人生はもっと変わっていたはずです。もう一度やり直せるなら、英語をちゃんと勉強し、青春も取り戻したい(笑)。

團さんは、入学時から品のある生徒でした。問題意識をもち、それを解決すべく行動に移したところが広尾学園生らしくて、誇りに思います。


いけだ・とみかず◎大学院修了後、外資系企業でブランド・マネジャー、マーケティング・マネジャーを歴任。2006年に前身の順心女子学園に入職(翌年、現校名に改称)。経営企画室長として新コース設置など学校改革を主導。副学園長を経て17年に理事長就任。


「エグゼクティブ異種交遊録」は、能動的に出会いを求めるアクティブな経営者たちを繋ぐ「場」と「機会」を提供するコミュニティ、Forbes JAPAN SALONの会員をつなぐ連載です。

文=松下久美 写真=若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN No.097 2022年9月号(2022/7/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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