Bリーグ アルバルク東京「勝負の一年」 林社長の戦略と勝算

トヨタアルバルク東京代表取締役社長の林邦彦氏

東京・お台場での新アリーナ建設「TOKYO A-ARENA PROJECT」が動き出した、Bリーグ・トヨタアルバルク東京の林邦彦社長。

2025年秋の開業に向け、今シーズンはコロナ禍の影響から脱却し、より高い結果を求められる「勝負の一年」になるという。どう戦う算段なのだろうか?

>> 前編:Bリーグ・トヨタアルバルク東京は、夢の「次世代アリーナ」建設へどう挑むのか


──今シーズンのスローガン「Next FAZE」について、聞かせてください。

次の段階へ向かう、のNext Phaseと、心を騒がせる、驚かせるという意味のFazeを掛け合わせた造語なのですが、今シーズンは、我々にとって色々な大きな変化を迎える、勝負の一年になります。

まずはホームアリーナの移転。2017年に東京2020の影響で、ホームアリーナを代々木(第二体育館)からアリーナ立川立飛に移し、5年間お世話になりましたが、また代々木(第一体育館)に戻ることになります。

チームとしても新しいヘッドコーチ(HC)を迎えての船出、またクラブ経営の面でも2017年から取り組んできた5カ年計画の節目のタイミングで、これまで積み上げてきたものを礎に、次なるステージに踏み出すフェーズに入ります。

そして、ホームタウンの渋谷はまさに「若者文化の発信地」ですので、その中で皆さんに、心を揺さぶる感動と驚きを届けたいという想いもスローガンに込めました。

トヨタアルバルク東京のスローガン「Next FAZE」

──節目を迎えたという「5カ年計画」の内容と結果について、どのように評価されているのか教えてください。

Bリーグの初年度、開幕戦という歴史的舞台からスタートを切らせていただいたのですが、残念ながら初代チャンピオンの座を逃し、さらには立川への移転、そして従業員9人といった状況の中で、2年目の2017-2018シーズンに立てた計画です。

(1)先ず優勝するチームを作る(2)優勝によって露出を増やす(3)認知度向上によってアリーナを満員に(4)その活力によって地域活性化に貢献する、を目標としたものでした。

早速、優勝を目指したチーム編成に手を付け、招聘したルカ・パヴィチェヴィッチHCの力もあり、計画を立てたシーズンから2連覇することができました。

そして何より、立川の皆さんにも「おらが町のチーム」として迎えていただいたことが大きかった。立川市長をはじめ職員の方々、商工会の皆さんにもサポートしていただき、事業の幅も広げることができました。



──この上なく順調なスタートだったわけですね。

ただ、2連覇の後は、優勝から遠ざかってしまいました。他のチームの戦力が相当上がったんです。もちろん我々も毎年強化してはいましたが、連覇したことがプレッシャーにもなり、そこにコロナ禍が重なって、精神的にも肉体的にも追い込まれ、負傷選手も続出してしまいました。

5カ年計画のサイクルが回らなくなり、結果でも露出の面でも、他のチームから完全に取り残された感じを受けました。
次ページ > 移転、コロナ禍の影響は?

画像提供=トヨタアルバルク東京 編集=宇藤智子

タグ:

連載

Forbes Sports

ForbesBrandVoice

人気記事