「仕事、遊び、休む」を区別する
「仕事に没頭する」そして「とことん遊ぶ」。SNSではオフを楽しむ有名起業家の姿をみかけます。
ですが、仕事も遊びも適量を超えると疲労の原因となってしまいます。遊びはエネルギーを使う行動であることを忘れてはいけません。とくに起業家は仕事に加えて、「とことん遊ぶ」傾向が強いのではないでしょうか。「仕事」と「遊び」の間の往復では、疲労を溜めてしまう結果になりかねません。心身の健康を維持するためには、「仕事」、「遊び」の間に「休み」を意識的に挿入することが必要です(以下「仕事・遊び・休み」のサイクル 参照)。
「休み」はカラダ(身体)とココロ(精神)を休め、消耗したエネルギーを補充するだけではありません。心身の状態に耳を傾けて、カラダとココロのマネジメントに役立てることを加えてください。
「仕事・遊び・休み」のサイクル
メンタルヘルスのマネジメント
仕事も遊びも「一生懸命する」ことは、車のアクセルを常にベタ踏みしていることと同じでしょう。燃料の消費は激しく、燃料タンクはあっという間に空になってしまいます。「仕事」や「遊び」に夢中な時には自分の関心は、「外(自分以外)」に向いています。とくに起業家の場合、遊んでいるときも社員や投資家から「見られている」ことを意識しながらSNS発信をする、といったことも往々にしてあるのではないでしょうか。
「休み」を取り入れることで関心は、「内(自分)」へ向かいます。関心の方向が自分に向かうことで、心身のわずかな変調を感じ取るきっかけにつながります。ここでは「変調を感じ取る」ポイントを紹介します。
以下は、初期に感じる心身の変調と日常生活や仕事への影響をまとめたものです。前述の通り、多くの人はストレスにより睡眠の変化を認めます。身体症状では肩こり、頭痛、めまいを感じる人も少なくありません。仕事ではケアレスミスが増えるので、やり直しにより仕事が増えてしまうこともあります。
この様な心身の変調を「何かおかしい」と認識できるのは、おそらく一握りの人かもしれません。自分のカラダとココロに関心を持ち、メンタルヘルスの正しい知識を得ることで、「何かおかしい」への感覚を高めることができます。
初期の心身の変調とその影響
起業家は自分のメンタルヘルスに関心を持ち正しい知識を持つことが大切なことを紹介しました。これは自分のみならず、メンタルヘルス不調による組織のリスクを回避することにもつながります。
起業家自身は、社内の同僚や友人などから相談相手を見出すことは難しいと思われます。孤独を感じる立場であることは避けられません。自分の力だけで問題解決を目指すのではなく、外部に相談を求めることもできます。最近では起業家のメンタルヘルスを支援する団体や企業も増えているので、このような外部のリソースを積極的に活用することも選択肢に含めるとよいでしょう。