これまでの箱物事業とは明らかに違う事業体制で、全国の行政や団体からも注目を集めるコパルの魅力とは?
運営を担当するNPO法人生涯スポーツ振興会(アプルス)の須貝守さん・美奈子さんご夫婦に聞いた。
すべての子どもがいつでも安心して遊べる場所
蔵王連峰を望む美しい田園地帯。JR蔵王駅の程近くにコパルはある。
保護者同伴の児童が利用できる遊戯施設で、屋外に5つの広場、屋内には大型遊技場や体育館、図書コーナーなどさまざまなスペースがあり、それらをほぼ無料で利用できる(デジタルアトラクション、教室など、別途有料のものもあり)。また、施設内に子育て支援センターもあるため、プレママ・パパにとっても心強い場所になっている。
稜線とリンクする曲線的な外観。モダンながら温かみのある建物は、街の新しいシンボルになりそう
──市内の他の遊戯施設との違い、コパルの魅力は何でしょうか。
美奈子さん:障がいの有無や国籍などに関係なく、すべてのお子さんが安心してのびのびと遊んでいただける施設ということです。コパルができる前、多くの市民からこういった施設が欲しいという要望が市に寄せられていたそうです。
守さん:これまでの児童遊戯施設では、さまざまな理由から障がいのある方々など一部の方の利用をお断りしなければならないこともあり、忸怩たる思いをしてきたようです。そんな中、山形市長の「どんな人でも安心して利用できる施設を目指してほしい」という想いと我々の想いが合致し、現在のコパルが生まれました。
ホームページより抜粋。コパルはすべての子どもたちが互いを認め合い、楽しく遊べる施設を目指している
守さん:山形は雪が多い地域なので、家の中に閉じ込められるような状況が何カ月も続くことになります。そんな環境の中、コパルは屋内施設がメインなので、季節や天候に左右されることなく遊べるという部分でも安心していただけると思います。
美奈子さん:一般的な屋内の遊び場は、子どもだけでボールプールで遊ばせて親は外から眺めるしかないなど、大人が一緒に遊べないところもありますが、コパルはどこでも親子で一緒に遊べるように作られているので、ただ座って見ているだけの親御さんは少なくて、一緒に遊ぶ光景が多く見られますね。
──ということは、障がいのあるお子さんや親御さんも利用しやすいですね。
守さん:そうですね。大きい滑り台で障がいのあるお子さんが遊ばれているときも、周囲にいる親子はごく自然に受け入れておられます。必要な場合はスタッフがお手伝いしますので、気兼ねなくご利用いただけます。