山形市「コパル」 毎日通いたくなるインクルーシブな遊び場の秘密

シェルターインクルーシブプレイス コパル(通称:コパル)


パラスポーツ体験も


コパルではたくさんのイベントが行われている。例えば、スタッフによる手遊びや体操、映像に合わせて体を動かすデジタルアトラクション(有料)は毎日開催。その他にも、工作教室や音楽会、大人向けのヨガ教室など、実にさまざまなイベントが毎週のように実施されている。

シェルターインクルーシブスペース コパル(山形市南部児童遊戯施設)

──家族みんながワクワクするようなイベントがたくさん開催されていますが、パラスポーツの体験会を開催されたこともあるんですよね。

美奈子さん:オープニングイベントということで、障がいのある方もない方も楽しめるようなスポーツイベントがやりたくて、パラリンピック競技の体験会を企画しました。

最初は車いすバスケットボールも予定していたのですが、ちょうどコロナの感染者数が増えてきたタイミングだったので、少人数で距離を保ちながらできるボッチャのみの体験会になりました。

守さん:それでも50〜60名が参加してくれましたよ。プレー中に、障がいの度合いによって滑り台のような器具(ランプ)を使ったり、いろいろな戦い方ができるスポーツだということを説明して。東京パラリンピックの印象もあって、映像でしか見たことないものが自分で手に取って自分の感覚で体験できるっていうことで大いに喜んでいただきました。

山形市南部児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル(通称:コパル)」
4月、体育館で行われたパラリンピック競技体験イベントの様子。たくさんの親子がボッチャを楽しんだ

美奈子さん:自由度が高い競技ですごく実施しやすかったですね。今後もいろんなタイミングでボッチャを体験していただこうと思っていますが、いつかゴールボールやシッティングバレーボールのイベントもやりたいですね。

守さん:大人も子どもも関係なく楽しめるという点でもパラスポーツはすごく魅力的なんですよね。ただ、道具が買えない。私たちのような施設に貸し出してくれる団体やシステムがあると嬉しいですね。

日本中の遊び場が変わる


「生きる力」「インクルーシブ」「地域共生」の3つを柱に、遊びを通して子どもひとりひとりの豊かな発育を支えるコパル。今後、これらの柱はますます太く力強いものになっていきそうだ。
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文=栗原羽衣子(パラサポWEB) 写真提供=シェルターインクルーシブプレイス コパル

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