ライフスタイル

2022.07.30 17:00

「群馬発世界」ブランドを率いるふたりが語る、地方の未来

左・永井酒造代表取締役社長 永井則吉、右・ジンズホールディングス代表取締役CEO 田中 仁。前橋市を流れる利根川の河川敷にて。

同郷の先輩経営者である“兄貴分”の背中を見て発奮


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ながい・のりよし◎1972年、群馬県川場村生まれ。東海大学では建築を専攻。95年に家業の永井酒造に入り、2013年に社長就任。6代目蔵元。16年にスパークリング日本酒を世界に発信する「awa酒協会」を設立、初代理事長に就任。
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永井則吉:田中さんは、背中を見せてくれる兄貴分であり、我々群馬の経営者の誇りです。ジンズ上場前に伊勢崎まで講演を聞きに行ったのですが、「世界一のメガネ屋を目指す」と本気で語る姿に感動し、勇気をもらいました。

言葉通り成功を収めたいま、ご自身の時間とお金と人脈を注ぎ込み、街の再建と起業家育成に取り組んでおられる。その姿は、川場村長として村に人生を捧げた私の父にも重なります。

前橋のまちづくり構想は聞くたびに計画が広がっていて、ドキドキワクワクが止まりません。
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群馬の地酒「水芭蕉」「谷川岳」などを醸造する永井酒造ですが、元は長野の系譜。利根川へ注ぐ尾瀬の大地でろ過された水に惚れ込んで、川場村に移ってきました。

しかし日本酒の消費量は私が生まれた50年前がピーク。跡を継いだ私は、世界初の瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒「awa酒」と、低温熟成の「ビンテージ酒」を開発し、日本酒の新たな価値創造に取り組んでいます。この2本柱で、川場村から群馬、群馬から世界を目指しています。

こうした挑戦も、ビジョンやイノベーションが重要だという田中さんの教えが原動力。いつか川場の水と前橋産の米で、うまい酒をつくりたいですね。

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永井の地元は尾瀬に近い川場村。「尾瀬の水芭蕉プロジェクト」で売り上げの5%を環境保全にあてる


「エグゼクティブ異種交遊録」は、能動的に出会いを求めるアクティブな経営者たちを繋ぐ「場」と「機会」を提供するコミュニティ、Forbes JAPAN SALONの会員をつなぐ連載です。

文=松下久美 写真=若原瑞昌

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