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ビジネス

2022.06.08

ヘラルボニー x 尾州ウール──異彩のかけあわせから生まれた「ウールシャツ」誕生秘話

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三星生糸社長 岩田真吾(左)ヘラルボニー社長 松田崇弥(中央)ヘラルボニー取締役CCO 佐々木春樹(右)

全国各地のスモール・ジャイアンツを探すなかで、Forbes JAPAN編集部が出会ったのは愛知・岐阜の木曽川流域に広がる「尾州ウール」産地。世界に誇る高級ウールの一大産地でありながら、コロナ禍の影響で産地全体に疲弊感が漂っていた。

そこに新風を吹かせた人物がいる。2021年に初開催された産業観光イベント「ひつじサミット尾州」を率いた三星毛糸社長の岩田真吾だ。産地の異端児ともいえる彼と若き異彩をかけ合わせたらどうなるか──。

若き才能を発掘する「30 UNDER 30 JAPAN」の受賞者で、福祉のカルチャー化を目指す松田崇弥が率いるヘラルボニーに編集部が声をかけて始まった服づくりのコラボレーション。その関係性は、さらなる共創の輪へと広がろうとしている。


2021年6月、尾州ウール産地でプレ開催された「ひつじサミット尾州」で、三星毛糸とヘラルボニーは出会い、共鳴した。その後、ヘラルボニー取締役CCOの佐々木春樹のディレクションで協業による服づくりが始動。約半年後、異例づくしのアートシャツとフーディパーカーが誕生した。商品は2022年2月23日、ヘラルボニーのECサイトとポップアップストア(日本橋高島屋から順次展開)で発売された。

松田崇弥(以下、松田):出来上がったばかりのシャツを着ていますが、滑らかな肌触りのウールで本当に着心地が良い。僕自身、ヘラルボニーの「制服」にしたいと思っています。

岩田真吾(以下、岩田):生地は、三星毛糸の最上級メリノウール「SUPER140s」を使用しています。平織りのシンプルな組織でありながら織りの密度が高く、通常はスーツなどに使われるもの。素肌の上に着ても気持ちいいように、糸段階でシルクプロテインを配合したり、生地段階の整理加工で光沢を引き出したり、イノベーションしてきたものです。

パーカーは自社ブランド向けに開発したものを佐々木さんが気に入ってくれて、ヘラルボニーのアートを使ってデザインされましたね。

佐々木春樹(以下、佐々木):パーカーのほうは完全に一目惚れでした。それから今回はメゾンブランドでもなかなかやらないことに挑戦してみたいと思い、前例のないウールシャツをつくることに。5年ほど前から、ファッション業界で「臭わないTシャツ」が話題になっていて、生地が100%ウールであることを知りました。

ウールには抗菌作用があり、シワになりにくい。特に今回の生地はきめ細かい特殊なウールで、自然なツヤ感があり、美しいのでシャツに向いていると思います。

岩田:同じ原料なのに、パーカーとシャツでは仕上がりがこれだけ違うのも面白いですよね。この生地は繊維が非常に細く、16.5マイクロン(1マイクロン=100万分の1m)の羊毛を厳選しています。ウールというとコートなど冬物のイメージがありますが、消臭や吸水の機能性もあるので実は肌着やパジャマにも向いています。あまり洗わなくてもいい。天然繊維であり、その点もエコです。
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この記事は 「Forbes JAPAN No.092 2022年月4号(2022/2/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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文=督 あかり 写真=佐々木 康

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