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2022.04.08 10:30

「人的資本主義経営」時代に不可欠なHRテック

Forbes JAPAN編集部

:それは僕も同様の思いです。村田さんも、投資先のプレイド、ヤプリをはじめ、「IPOラッシュ」だったこともあり、さらにパワーアップしていることを肌で感じました。

村田:堀さんがいちばん変化された点は、意思決定の手前でいろいろな人から意見を聞くといった余裕ができたこと。それらを全部吸収したうえで意思決定される。経営者として、会社として社会に必要な企業になっていくためには、この「レディネス(学習のために必要な心理状態)」のスタンスがあるか、どうかで変わってくる。

:自分の成長よりも、会社の成長を主語にして生活してもう何年も経つので、「そうなのか」という印象です(笑)。でも、どこか自前主義が強かった部分があったのは確か。経験豊富な人や、手練れた投資家に仲間に入ってもらうということに、本当の意味で腹をくくれたタイミングがありました。それがいまの進撃を生んだターニングポイントのひとつです。

私たちがいまテーマにしているのは「従業員エクスペリエンス」。働く人との関係性を重要視した経営—、組織で働く一人ひとりの就業体験をよくし会社との関係性を強固にすることで、データを用いた様々なマネジメントについてレバレッジが効いて効果が出る。21世紀の会社と従業員の関係性を再構築したり、改善するプラットフォームになることを目指しています。

結果として、日本の会社がパワーを得られたり、働く一人ひとりにもパワーを与えられる会社にしていきたいというところが、ブレずに思っていることですね。

村田:日本は労働生産人口の減少をはじめ課題先進国であり、人的資本経営の流れもある。こうした環境下で、世界に先駆けて、新しいソリューションを提示するチャンスでもあります。「HRBrain」が入っているかいないか、で会社の経営が変わるというように、HRテック領域で、本質的な価値を提供し続ける会社であってほしいですね。


むらた・じゅんいち◎Eight Roads Ventures Japanパートナー。ウォルト・ディズニー社デジタル部門マネジメントチームメンバーを経て、13年より現職。主な投資先は、プレイド(IPO)、ヤプリ(IPO)、Retty(IPO)、Wovn、Openlogiなど。

ほり・ひろき◎HRBrain代表取締役/CEO。2011年に新卒でサイバーエージェントに入社。メディア事業の統括や複数サービスのエグゼクティブプロデューサー等を経験。16年に27歳でHRBrainを創業し、現在に至る。

文=山本智之 写真=平岩 亨

この記事は 「Forbes JAPAN No.092 2022年月4号(2022/2/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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