スミスの妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスは、授賞式の会場にスキンヘッドで出席しており、ロックは彼女が 映画「G.I.ジェーン」の続編に出演する準備が出来ているように見えるとジョークを飛ばした。1998年公開の「G.I.ジェーン」は、デミ・ムーアが髪を短く刈り上げた姿で海軍の特殊部隊の特訓を受ける作品として知られている。
ステージに近い席に座っていたスミスは、壇上のロックに歩み寄り、彼の顔を殴った。
この場面の音声は、米国ではカットされていたが、海外放送ではこの事件のフルクリップが流れ、ツイッターでシェアされた。殴られたロックは、「ウィル・スミスにやられた」と話し、彼の発言がただのジョークだったと弁解した。
座席に戻ったスミスはその後、ロックに対し「妻の名前をその汚い口から出すな」と叫んだ。
その後、「ドリームプラン(King Richard)」の演技で主演男優賞を獲得したスミスは、スピーチで「愛の大使」になりたいと涙を流しながら語り、アカデミー賞の主催者と俳優仲間たちに謝罪の言葉を述べた。
ピンケット・スミスは2018年に、自身が脱毛症の悩みを抱えていることを打ち明けていた。そして昨年12月には、症状を隠すことが難しくなったため、スキンヘッドにしたことをインスタグラムの投稿で公表していた。
ロックは以前にもピンケット・スミスについてジョークを飛ばしたことがある。2016年のアカデミー賞の司会を務めた際、ロックは映画業界のダイバーシティの欠如に抗議して授賞式をボイコットした彼女を嘲笑したのだ。「ジェイダは怒って、自分は出席しないと言ってる。ジェイダがオスカーをボイコットするのは、俺がリアーナの誘いを断るようなものだ。俺は招待されてないけどね」とロックは当時、語っていた。
「君が怒るのは当然だ。ウィルがこれほど優秀なのにノミネートされなかったのもフェアじゃない。ウィルが『ワイルド・ワイルド・ウェスト』で2000万ドルのギャラを貰ったことも不公平だ」とロックは話していた。