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2022.04.08 10:30

「人的資本主義経営」時代に不可欠なHRテック

Eight Roads Ventures JAPANパートナー村田純一(左)、HRBrain代表取締役/CEO堀 浩輝(右)

堀 浩輝は2016年3月、クラウド人材管理システムを手掛けるHRBrainを創業。従業員の目標設定から評価までのプロセスを効率化、組織の生産性を高める人事評価クラウドから、人材データをもとに最適な人材配置など、組織診断から人材開発・組織改善を行う「タレントマネジメント」分野のプロダクトを展開。人事にまつわる業務をクラウドで一元管理できる。

同社は22年1月、16億円の第三者割当増資と2億円のデットファイナンスによる総額18億円の資金調達を行った。村田純一がパートナーを務めるEight Roads Ventures JAPANは、20年12月、HRBrainにリード投資を行い、今回のラウンドでも投資した。


村田:堀さんとは4年前にはじめてお会いしました。第一印象は、「自信に満ちあふれた魅力的な起業家」。従来からHRテックの領域に注目しており、すごく面白かった。ただ、当時の堀さんは、いまのプロダクト、いまの組織、いまのビジネスと「いま」に対するフォーカスが強かったため、すぐに投資とはなりませんでした。

それでも半年おきにお会いしているなかで、突然ピントがあった瞬間がありました。「将来こういうプロダクトにしたい」「将来こういう組織にしたい」と将来に向けたロードマップについて議論する時があり、本当に盛り上がりました。そこから先はデューデリジェンス(DD)ではなく、作戦会議となり、自然に投資をしていました。

:最初にお会いした時はサービスローンチして1年半のころで「いま」に必死でした。そこから半年、1年、2年とトラックレコードを積み上げていくうちに、「より長期を解像度高く見据えたい」と思いはじめていました。

「大きな時代のうねりのなかで、どのようなアングルで課題を切り取り表現するか」。村田さんと、その議論を何回も重ねるなかで、イメージが一気に見えてくる瞬間がありました。

HRBrainは、従業員のエクスペリエンスを改善する会社。会社をひとつのプロダクトだと捉え、従業員目線を重視しながらデータドリブンに改善をしていく。そうしたアプローチが21世紀のマネジメントには重要な考え方なのではないか、というところに行きつきました。

村田:堀さんの経営者としての「変化量」はものすごい。僕の持論として「IPOはそれ自体を目的として目指すものではなく、事業としてやるべきものが見えた時に、旅路のひとつの出来事としてはまってくる。その境地のほうが本質」というものがある。堀さんの経営を見る目、プロダクトの解像度、将来の世界観がまさにそのストーリーそのもの。
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文=山本智之 写真=平岩 亨

この記事は 「Forbes JAPAN No.092 2022年月4号(2022/2/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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