ビジネス

2022.03.31

キャシー・ウッドの投資会社、テスラ株240億円分売却

Getty Images

名うてのストックピッカーであるキャシー・ウッド率いる米投資会社アーク・インベストが、1週間で2億ドル(約240億円)あまりにのぼるテスラ株を売却したことが明らかになった。代わりに、コインベースやズーム、ビデオゲームのロブロックスなど、このところ低迷している銘柄を買い入れている。

アークの取引日報によると、旗艦ファンド「アーク・イノベーションETF」を含む同社のファンド2本は、組み入れ銘柄首位のテスラの株式を23日に計5万2335株売却した。時価で5750万ドルほどに当たる。さらに25日にも、ファンド3本が計1億4750万ドル相当のテスラ株を売った。

地政学リスクなどで大幅に下落していた米国株が全体的に回復するなか、テスラの株価はこの2週間で40%超急伸している。アークによるテスラ株売却は今年1月中旬以来。アークはその後、テスラの株価が年初来30%近く下落していた2月中旬に、同社株をおよそ6万株取得していた。

30日までの1週間にアークがもっとも多く処分した銘柄はテスラだが、ほかにも製薬のバーテックス・ファーマシューティカルズやソフトウェアのスプランクなど6銘柄を計約2100万ドル(約26億円)相当分売却している。

一方、アークはこの期間に、これまでも組み入れ銘柄上位だったコインベースの株式を1億ドル(約120億円)あまり買い増したほか、ロブロックスやストリーミング端末のロク、「コロナ銘柄」のズームなども積極的に買っている。

テスラの足元の株価は過去1年では74%上昇しているものの、昨年11月につけた最高値に比べると12%ほど低い水準にある。コインベース、ロブロックス、ロクの株価は年初来それぞれ19%、48%、42%下がっている。

アーク・イノベーションETFは2020年には150%近く上昇したが、昨年は24%下落し、今年に入ってからもさらに27%下げている。年初来の下げ幅はS&P500種株価指数の4%よりも大幅に大きい。

ウッドは24日の経済誌バロンズのインタビューで、精彩を欠くハイテク株や自身のファンドを擁護し、アークは「金融サービス業界を破壊している」と強調したほか、「バリュー(割安)株はバブル状態にある」との見方も示している。

ウッドは2020年にテスラ株を続けて売却した際、アークは株価の変動に合わせた取引を好んでおり、安値に乗じて買い、大きく下げそうだと判断したときに売っていると説明していた。

編集=江戸伸禎

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