同社は22年1月、16億円の第三者割当増資と2億円のデットファイナンスによる総額18億円の資金調達を行った。村田純一がパートナーを務めるEight Roads Ventures JAPANは、20年12月、HRBrainにリード投資を行い、今回のラウンドでも投資した。
村田:堀さんとは4年前にはじめてお会いしました。第一印象は、「自信に満ちあふれた魅力的な起業家」。従来からHRテックの領域に注目しており、すごく面白かった。ただ、当時の堀さんは、いまのプロダクト、いまの組織、いまのビジネスと「いま」に対するフォーカスが強かったため、すぐに投資とはなりませんでした。
それでも半年おきにお会いしているなかで、突然ピントがあった瞬間がありました。「将来こういうプロダクトにしたい」「将来こういう組織にしたい」と将来に向けたロードマップについて議論する時があり、本当に盛り上がりました。そこから先はデューデリジェンス(DD)ではなく、作戦会議となり、自然に投資をしていました。
堀:最初にお会いした時はサービスローンチして1年半のころで「いま」に必死でした。そこから半年、1年、2年とトラックレコードを積み上げていくうちに、「より長期を解像度高く見据えたい」と思いはじめていました。
「大きな時代のうねりのなかで、どのようなアングルで課題を切り取り表現するか」。村田さんと、その議論を何回も重ねるなかで、イメージが一気に見えてくる瞬間がありました。
HRBrainは、従業員のエクスペリエンスを改善する会社。会社をひとつのプロダクトだと捉え、従業員目線を重視しながらデータドリブンに改善をしていく。そうしたアプローチが21世紀のマネジメントには重要な考え方なのではないか、というところに行きつきました。
村田:堀さんの経営者としての「変化量」はものすごい。僕の持論として「IPOはそれ自体を目的として目指すものではなく、事業としてやるべきものが見えた時に、旅路のひとつの出来事としてはまってくる。その境地のほうが本質」というものがある。堀さんの経営を見る目、プロダクトの解像度、将来の世界観がまさにそのストーリーそのもの。