「ラグビーはまだ投資対象になっていない」 五郎丸歩、CRO初年度の自己評価

静岡ブルーレヴズ CRO 五郎丸歩

早いもので、昨年春に現役を引退した後、7月から静岡ブルーレヴズの運営スタッフとしてビジネスの世界に入り、1年が過ぎました。その初年度、地域密着や事業化を目指す「ジャパンラグビー リーグワン」が新たに開幕し、私たち静岡ブルーレヴズは“プロクラブ”として戦いました。

そして今、色々な出来事があったシーズンを振り返り、次のシーズンへの準備を整える大切な時期を過ごしています。さらに4月から早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学したこともあり、忙しい日々を送っています。

社長の山谷が登場した先日の記事にもありましたが、初年度、社内で私に任された仕事は3つありました。1つはCRO(クラブ・リレーションズ・オフィサー)として地域、企業の方との関係構築をする仕事で、2つ目はメディア出演や講演などの活動です。レヴズにスケジュール調整といったマネジメントを任せており、ご・ろう・まるの略で「GRM事業」と呼んでいます。

3つ目は「チケット担当」の実務です。「葛城北の丸宿泊付き観戦チケット」のような企画のプロデュースに加えて、チケットの販売管理業務にもあたりました。

特に手間がかかるのは、チケットの「消し込み」の作業です。ヤマハスタジアムなら15000席、それをExcelシートにして、スポンサー、シーズンチケットホルダーの方が座る場所、販売済の座席を消し込んでいきます。完全な手作業ですが、これを確実に細かく丁寧にやらないと、席被りが発生したり、一般に販売するチケットが減ってしまい、お客様が「ここで見たかった」と思うような位置に空席が出てしまいます。

そして、試合当日の発券準備。発券業務は目立たないですが、プロスポーツにとって大切な実務です。「この辺かな」と思った席種のチケットを10枚か20枚くらいずつ準備して、窓口で来られた方に時間を取らせないように工夫しています。

レヴチケ

新しいシステムを導入して、便利な「QRチケット」をお使いいただけるようにもしました。QRチケットにこれまであまり馴染みのなかったラグビーのお客様にも、1シーズンを通して徐々に慣れていただいた感じです。

Jリーグならば「Jリーグチケット」のシステムがあり、全チームが共通のプラットフォームを持っていますが、リーグワンはそういったものをまだ持てていない状況です。

力仕事も、3億超えも、


また試合日には、チケット販売以外にも様々な業務があります。スタジアム内のイベント、場内ラジオにも参加していますし、いわゆる「力仕事」もあります。

リーグワンには自分たちのホストスタジアムをしっかりと持っているチームがありません。ヤマハスタジアムもジュビロ磐田のスケジュールが優先されます。備品をスタジアムに置いておけず、大型のトラックで毎回出し入れしなければいけません。こういった搬入、搬出作業もやっています。まあ、体力はありますので(笑)。
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写真=BLUEREVS LTD. 編集=宇藤智子

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