ビジネス

2021.12.30

平均注文金額が増加、人気のBNPLサービス「スプリティット」

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高級品や高級サービス向けの「BNPL(Buy Now, Pay Later)」と呼ばれる後払い決済管理ツール「スプリティット(Splitit) 」は、消費者がすでに得ているクレジットを最大限に活用し、よりスマートに出費できるようにするためのサービスだ。ホリデーシーズンへのカウントダウンが始まったブラックフライデー以降、スプリティットの平均注文金額は60%ほど増加している。

スプリティットの決済の仕組みは、「アフターペイ」や「クラーナ」といった従来のBNPLモデルとは異なっている。

たとえばアフターペイの場合 、顧客は商品をすぐに購入し、4回の分割払いで代金を支払う。常に無利子だが、延滞料が適用される場合もある。期日までに支払う顧客なら、サービスは無料だ。

一方、小売事業者向けバンク、決済、ショッピングサービス大手のクラーナは、無利子の4回分割払い や30日以内の支払い など、幅広い決済サービスを提供している。また、まもなく「クラーナカード」を米国市場に投入し、実体のあるカード形式でもクラーナのサービスを提供できるようにする。

スプリティットの場合、消費者は、自分のクレジットカード限度額を利用できる 。毎月のクレジットカード請求額を期日までに支払っているかぎり、スプリティットで購入した商品の代金は、無利子で12回の分割払いに等分できる。スプリティットは自社のサービスについて、クレジットカードをベースにした分割払いサービスとしては唯一のものだとうたっている。

消費者側の利点は、利用しているクレジットカード会社が提供するロイヤルティプログラムのマイルやポイントを維持できることだ。クラーナなどの分割払いサービスは、独自のロイヤルティプログラムを提供している。

スプリティットのジョン・ハーパー(John Harper) 暫定CEOによれば、同社のモデルは、他のモデルよりも責任ある購入方法だという。というのも、消費者が実際に使用するのは、すでに承認されている支出限度額であり、承認されていない追加の負債は発生しないからだ。顧客の収入と、過去の購買力を基礎にしたキャッシュ管理ツールというわけだ。

「当社はクレジットカードを利用するので、クレジットカード業界に適用されるあらゆる規則による制限をすでに受けています。販売時点でローンを組む場合、制限のない借金をすることになりますが、そうしたローンは、自分の収入以上の支出を助長する一因になっています」とハーパーは述べる。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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