ビジネス

2021.12.30 07:00

平均注文金額が増加、人気のBNPLサービス「スプリティット」


とはいえ、クラーナの広報担当者によれば、同社の製品は、綿密に体系化された返済計画により、利用者が借金をきちんと返せるように設計されているという。

「当社のビジネスモデルは、利用者が当社に返済することを前提としているため、当社としては、それだけの余裕がある人だけを対象にする必要があります。そのため、ソフトなクレジットチェック をはじめ、しっかりとした適格性評価システムを整備しています」と広報担当者は話した。「利用者の状況が変わった場合に備えて、そうした利用者を支援するためのプロセスも設けています。返済が滞ったときには、負債が膨らむのを防ぐために、サービス利用に制限を課します」

クラーナのようなBNPLプランは、クレジットカードをまだ持っていないが、支払いを先延ばししたいミレニアル世代のあいだでとくに人気を博している。いっぽう、クレジットカードをベースにしたスプリティットは、それよりも上の世代を引きつけている。

全米で見ると、クレジットカード限度額のおよそ80%が活用されていない、とハーパーは言う。「一般に、使われているのは限度額の20%ほどです。当社が利用しているのは、その使われていないぶんのクレジットカード限度額です」

「当社の顧客は、傾向として年齢層が高めです。金銭的にやや余裕があり、一定のクレジット限度額を持っている傾向があります」とハーパーは言う。「そのため、当社の平均注文金額は1000ドル前後です。この数字は、ほとんどの競合相手と比べて4倍にもなります」

アフターペイによれば、同社の平均注文金額は150ドルだという。クラーナは140~150ドルだ。クラーナによれば、消費者がクラーナのサービスを利用する場合には、一般に、各小売事業者における平均注文金額が20~80%増加するという。

なお、小売事業者側も、スプリティットと提携することでメリットを得ることができる。スプリティットを利用する消費者は、小売事業者のウェブサイトを離れずに、クリック1回で分割払いサービスを選択できるからだ。商品を購入した消費者は、マウスをクリックするだけで、何回の分割で残高を支払うかを選択できる。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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