クラーナは百貨店のメイシーズの衣類から、オンラインマーケットプレイスのEtsyの小物まで、あらゆるアイテムを分割払いで購入可能にし、クレジットカードを置き換える決済サービスとして人気を博している。Eコマースが急成長を遂げる中で、同社のような後払いサービスのフィンテック企業の評価額は驚くべき水準に達している。
クラーナの株式の約8%を保有する、共同設立者兼CEOのセバスチャン・シェミャートコフスキ(Sebastian Siemiatkowski)の保有資産をフォーブスは約22億ドルと試算している。
2012年に退社したもう一人の共同創業者のビクター・ヤコブソンは、約10%を保有しており、推定保有資産は27億ドルとされる。さらに、3人目の共同創業者のニクラス・アダルバースは、自身の慈善団体やスタートアップ企業への投資のために持ち株を売却した後、0.4%を保有しており、その価値は約1億ドルとなっている(フォーブスは未上場企業の株式の価値の算定に10%のディスカウントを適用している)。
2005年に設立のクラーナは、フィンテック分野で急成長を遂げる「バイナウ・ペイレーター(BNPL、後払い)」モデルのパイオニアとして知られている。同社は2020年に世界で総額530億ドルのトランザクションを処理し、売上は前年度比37%増の12億ドルに達していた。
クラーナは17カ国で利用可能だが、黒字化を果たしておらず昨年は1億6300万ドルの損失を計上した。競合のオーストラリアのAfterpayの昨年の決済額は110億ドルだった。サンフランシスコ本拠のアファーム(Affirm)は昨年、約60億ドルを処理していた。
クラーナは米国で約400万人の月間アクティブユーザーを抱えている。同社は米国のトップ 100 の小売業者のうち 20 社と提携しており、通販大手QVCのライブコマースを支援しようとしている。