ミスをしても、前に進んでいけるようになるためのエクササイズ

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何か失敗をしたときは、次はもっとうまくやろうと自らを鼓舞するためにも、自分を非難する必要がある、という考えとともに成長してきた人たちがいる(筆者もそうなのだが)。しかし最新の調査で、自分自身を許すことができないと、仕事における幸福度が大幅に低下することが明らかになった。

筆者が創業したコンサルティング企業リーダーシップIQが実施した調査「The Links Between Self Forgiveness, Forgiving Others, and Employee Engagement(自分を許すこと、他者を許すこと、従業員エンゲージメントの関連性)」では、自分をうまく許せる人は、全力で仕事に臨もうという意欲が65%高いことがわかった。また、自分が働く会社は働き甲斐があるところだ、と勧める可能性は40%高くなるという。

何とも結構な話だ。とはいえこの調査では、自分を許そうとする志向性が高い人の割合がわずか8%にとどまっていることも明らかになっている。つまり、自分を許すというスキルは、我々のほとんどが身に着けるべきものと言える。

そこで、自分を許せる姿勢をできるだけ早く身に着けたいと考えている人のために、簡単なエクササイズを紹介しよう。

自分を許そうという気持ちを妨げる障害物は、心のなかにいくつか存在する。そのひとつが、白黒をはっきりさせたがる思考回路だ。世界は白か黒か、「必ずある」か「絶対にない」か、「最高」か「最低」か、のいずれかだという観点に立った考え方だ。端的に言えば、世界を両極端の視点から見ているわけだ。しかし、それでは、曖昧なグレーゾーンを見落としてしまうだろう。

仕事でミスをしたら、それでキャリアは潰えてしまうのだろうか。会社のミーティングに二度と顔を出せなくなるのだろうか。社内の人間がひとり残らず、自分を間抜けな人間だと考えるだろうか。

白か黒かのどちらか一方しかないという考え方に陥った人は、ミスをするたびに、それをとんでもない悲惨な出来事だと考えがちだ。しかし、一般的に見て、世界はそのような仕組みで動いているわけではない。

もしかしたら、ミスをした結果、次のミーティングで、何人かから変な目で見られるかもしれない。しかし、そんな状況は数分も経たずに過ぎ去ってしまうものだ。「すみませんでした」と素早く謝らなくてはならないだろうが、永久に隅へと追いやられてしまうわけではない。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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