1. 少し経ったら、失敗について考えるための時間をとる
失敗した後にそこから学ばないのは、チャンスを失うようなものだ。失敗ばかりする人になりたいと望む者はいないが、失敗から学ばない人になりたいと思う者もいない。
失敗してしまった日には、自然とそれについて思いをめぐらせるものだ。だが、その翌日にも、ある程度の時間をとって、起きてしまったことをよく考えてみよう。失敗の生々しさから少し距離をとるためには、いくばくかの時間が必要だ。
とはいえ、失敗について再考するまで、あまり長く待ちすぎてもいけない。長く待てば待つほど、進歩するために役立つかもしれない細部を忘れてしまう可能性が高くなるからだ。失敗の発生に近い時期でありながら、起きたことや、今後改善できることについて客観的に考えられるようバランスをとるためには、失敗から48時間後くらいを目安に時間をとってみよう。
2. 失敗について書きとめる
起きたことを考えるだけでは十分ではない。そのときの状況を書きとめてみよう。失敗が起きた状況について、ペンで紙に書いたりキーボードで入力したりすることを自分に強いれば、順を追い、系統立てた形で、その出来事を考えられるはずだ。
人は自分の考えを書きとめるとき、全体像を確実にとらえたいという思いから、よりじっくり考えるようになる傾向にある。書きとめないときには、思考があちこちに飛びまわり、その順番もでたらめだが、出来事を書きとめることで、その状況をはじめから終わりまで、順を追って考えられるようになる。
明確な全体像を書きとめることができれば、そのぶんだけ状況も明確になる。つまり、起きたことの理解が深まるほど、次にとるべき道を把握し、失敗の状況から教訓を得られるようになるということだ。