ミスをしても、前に進んでいけるようになるためのエクササイズ

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自分を許す姿勢を身に着けたいなら、白か黒かという思考回路を断つ必要がある。そのためにできる簡単な練習方法を伝授しよう。はじめに、対極にある言葉のセットをリストアップする。私が好きなのは、「白/黒」「上昇/下降」「速い/遅い」「若い/老いた」「善/悪」「合格/不合格」「清潔/不潔」「騒音/静寂」「近い/遠い」などだ。

次に、リストアップした対極の言葉をざっと見て、それぞれの中間を意味する言葉を探してみよう。まずは「白/黒」だ。白と黒の中間は何だろうか。単純に考えれば、グレーという答えが思い浮かぶが、ほかにも、プラチナ色や銀色でもよさそうだ。また、軍艦や屋根瓦も、たいていは白でも黒でもない色だろう。

「近い/遠い」のあいだには何があるだろうか。中間、中ほど、真ん中などがそうだろう。空間でもいい。

ポイントは、思いつく限りの答えをひねり出すことではない。それよりも、対極にある2つの概念のあいだに存在している可能性に目を向けられるようにするのが大切だ。妙なやり方だと思うかもしれない。しかし、白か黒かではなく、さまざまな異なる色合いで世界を見るための力を養ううえでは、欠かせない練習だ。

自分の心から、極端な意味を持つ語彙や、絶対的な意味を持つ語彙を排除できるようになれば、黒か白かという思考回路にはまることがぐんと減る。そうすれば、ミスをしても、それを「悲惨な失敗」ととらえず、すぐに別のものに置き換えられるようになるだろう。結果的に、もっと自分を許せる思考回路の土台ができていく。

もちろん、認識を歪めて、自らの失敗を絶対に認めないような状態を望んでいるわけではない。「自分を許す」とは、自らを縛り付けて麻痺させ、前進を妨げるようなマイナスの連鎖に陥らないようにすることにほかならない。

人は、誰でもミスをする。しかし、そのミスについて翌日、翌週、翌月と、くよくよと悩み続けていたら、成長の機会、前進する機会、幸せを見つける機会を見逃してしまう。だからこそ、自分を許すことはきわめて大切なのだ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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