新型コロナによる初の緊急事態宣言から1年半がたつ。急速にさまざまなデジタルシフトが起きたが、今回はあえてイノベーションにおいてリアルの場の価値の高さにフォーカスを当てたいと思う。各業界に特化したイベントやスタートアップに特化したイベントは日本国内に数多くあるが、そのなかでも「ICCサミット」は、異質な輝きを放つカンファレンスイベントだ。
ICCサミットは2016年に小林雅によって始められた。今年9月に京都で行われた「ICCサミット KYOTO 2021」で開催12回目となる。
完全招待制で、参加者はネット系スタートアップ、先端技術スタートアップ、D2Cブランド企業、大企業新事業、上場企業経営者、研究開発者、中小モノづくり企業、大学教授、クリエイティブディレクター、僧侶、美食家、VC、投資アナリストなど、とにかくオールジャンルの次の時代を先取る実践者たちが一堂に会する、国内でも非常にユニークなコンセプトのオフラインイベントである。
さまざまな切り口のピッチコンテスト、トークセッション、ワークショップ、体験ツアー、展示、交流イベントなど充実したコンテンツで、極めて高い質のインプットやネットワーキングができる場となっている。
他業種かつ多様性のある知と人との出会いに魅力を感じ、私も第1回から参加している。また、今回はマクアケ社としてスポンサーも務め、「クラフテッドカタパルト」というモノづくり事業にフォーカスしたピッチイベントや、モノやサービスのデザインに焦点を当てた「デザインアワード」コンテストのサポートをさせてもらった。
同業種の集まりではなく、畑違いのリーダーたちが出会うことで、ITとモノづくりを融合したドローンのビジネスや、大企業研究技術とデジタルマーケティングの融合による新商品など、実際にたくさんのイノベーションが生まれている。
この新型コロナ禍においても、一般の感染対策の2個も3個も上をいく綿密な対策を徹底し、オフラインイベントの場を開催。街の商業施設などほかのどの場所よりも安心感のある場づくりで、イノベーションのキッカケづくりを絶やさない努力には参加者の皆が感服したことだろう。