ビジネス

2021.10.24 20:00

リモートワークの先駆者から学ぶ「企業文化」のつくり方

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各界のCEOが読むべき一冊をすすめるForbes JAPAN本誌の連載、「CEO’S BOOKSHELF」。今回は、はてな代表取締役社長栗栖義臣が『リモートワークの達人』を紹介する。


私たちが突然に、「家」で仕事をするようになってから約1年半。それでもなお、リモートワークに不安を抱えている企業や人が多いのではないでしょうか。

本書は、世界でよく知られたソフトウェア開発会社「ベースキャンプ(元37シグナルズ)」が実際に取り組んできたリモートワークについて、創業者と共同経営者がその課題と解決法をまとめた一冊です。いまのコロナ禍を予想することもできなかった2014年に刊行された単行本『強いチームはオフィスを捨てる──37シグナルズが考える「働き方革命」』を改題、文庫化して2020年に発売。世界中でリモートワークのバイブルとして参考にされています。

単行本が刊行されたころ、当社は京都の本社に加えて、東京のオフィスでも開発メンバーが増え始め、次第に東京のビジネスチームとの仕事も多くなっていました。2拠点で仕事を進めるヒントがあるのではないか、在宅ワーク中心の仕事の進め方をしている企業から取り入れることがきっとあるはずだと感じて読み始めました。そして今回、新型コロナウイルス流行により、私たちが向かう未来の課題や解決法を、あらためて考えてみようと読み返してみたのです。

一部で在宅ワークを認めるなど、さまざまな働き方に対応してきた当社では、昨年より「フレキシブルワークスタイル制度」を開始しました。この制度は出社を前提とせず、在宅勤務手当在宅勤務一時金の支給、備品の在宅利用サポートなどで、変化に柔軟に対応しながら、働きやすさと働きがいを実現するためのものです。

在宅ワークに取り組むスタッフの割合が増えるにあたって、本書からの学びを日々のコミュニケーションや施策に活かしています。離れて仕事をする不安やリモートでのコミュニケーションの弊害を最小化するため、チームの上司だけでなく、同じ職種同士のチームを超えた1on1も手厚くしたり、私自身も定期的にテーマを決めてセッションしたりと、「バーチャルでの交流機会」でさまざまなケアも試みています。
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構成=内田まさみ

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