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2021.11.05 07:00

ジェフ・ベゾスとエリック・シュミットの元側近が語る「成功者のメンタル」

1兆ドル企業のリーダー,ジェフ・ベゾスとエリック・シュミット(Getty Images)


5. 自分に賭ける
完璧にできる準備が整っていなくても、率先して実行する。
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6. 謙虚である
そう聞くと驚く人が多い。ジェフやエリックのような偉大なリーダーは、正しい判断や決断を下すために、耳に痛いことばも進んで聞く。成長し、社会に衝撃を与え、地位を得て有名人としてステージに立っている姿を見ると、謙虚とはほど遠いと思うかもしれない。ここで言う謙虚さとは、チームを統率する手腕のことだ。

ジェフが自分の役割を「影」と考えているのは有名な話だ。私がアマゾンに入社した頃、「影」の立役者第1号だったアンディ・ジェシーが、つい最近ジェフの後継者としてアマゾンのCEOに就任したこともあって、

この話はよく知られている。影という表現は謙虚さをよく表していると思う。ジェフは異論を歓迎し、反対意見に寛容だったばかりか、異論を強く求めるあまり、自分に異を唱えるのを職務とするフルタイムの社員を置いたほどだった。その社員が彼の自慢のアイデアにけちをつけ、反論することで、見落としていることがないかを探せるし、物事を多角的に見られるようになり、全員の意見が反映されているかどうかも確認できる。
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そうした面でアンディが果たした功績が大きかったことは、のちに数億ドルの利益を生む子会社アマゾン・ウェブサービスの運営を任され、その後ジェフの後継者に指名されたことで明らかだろう。

7. 反論を求める
エリックも同様だった。その場で一番発言が少ない人間、とりわけ専門家ではない人間に意見を求めるという恐ろしい習慣を持っていた。そういう人間が、特定の言葉とか戦略に関して誰も思いつかないような質問をするからだ。それをきっかけに、専門家はまだ十分に具体化していない解決策の核心部分に磨きをかけられるようになることもある。異論反論を奨励することによって、エリックらは今のような革新的な考え方を持つようになった。自分の考えが正しいかどうかを確認するには、異論を求めるべきだ。

1兆ドル企業のチームの特徴


チームの特徴は、以下3点だといえる。

1. 宇宙船開発チームは、とくに草創期には、次のような素質を持つ人材を抜擢した。

a. 価値観の一致
b. 優れたものへの献身
c. 問題解決能力
d. 重圧に耐える安定した精神
e. みずから率先して動く
f. 信頼に足る
g. 「先を見通す能力」
h. 取り組んでいる“何”かについての中核技術に注目し、その技術を発展させることができる

2. 日々の業務とビジョンのあいだを取り持つ「仲介役」の存在は不可欠だ。スタートアップ企業のCEOや経営陣は、日々時間に追われ、目の前にある課題に対処するのに精いっぱいかもしれない。だが、4、5年先にどこまで達成しなければならないかというビジョンを持ち続けることも必要だ。確かに、四半期や半期など中期的な不調があると、先のことに意識を向けるのが難しくなる。

賢明な仲介役は、アイデアを共有し、需要を見通し、どのチームに追加投入をすべきかを知り、軌道を外れたりやる気を失ったり消耗したりしているチームがないかに目を配る統括者である。

3. チームの構成員たちは未来を創ることのできる人間である。何をすべきか指図されるのを待っている人間は、1兆ドル企業のチームメンバーたり得ない。

翻訳・編集=北綾子/S.K.Y.パブリッシング/石井節子

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