スタンフォード行動デザイン研究所発、習慣は「祝福」で身につける

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「心地よくなりたい」脳の性質を利用する


では、いよいよあなたの番だ。自分にしっくりくる祝福を探してみよう。気まずさや違和感があるなら、逆効果になるだろう。脳は気まずい思いは好まない。心地よくなりたいのだ。

祝福は個人的なものだ。気分をよくしてくれるものは、あなたと私ではおそらく異なるだろう。

「純粋に心地よくなれる祝福」を見つけることは簡単ではない。性格や文化によっても左右されるからだ。成功を祝うのが生まれつき得意な人もいる。やる気にあふれた楽天家には簡単に実践でき、楽しむことさえできるかもしれない。それどころか、すでに実践していて、その行為に名前をつけていないだけかもしれない。

しかしながら、自己批判をしがちな人や、悲観的なタイプの人には、祝福を自然に行うのは難しいかもしれない。

また文化によっては、へりくだったり、控えめに振る舞ったりすることに居心地のよさを感じるため、祝福を抵抗なく行うのが難しい人たちがいることもわかった(イギリスと日本のみなさん、聞いていますか?)。

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だが、出身地や性格を問わず、習慣の素早い定着をうながすために自然な祝福を利用することはできる。

自分にとって効果的な方法を見つければいいのだ。
私のおじで、70代半ばのブレントの例を挙げよう。彼はユタ州で弁護士として活躍し、いまは一線を退いている。祝福よりも、人と議論し、現実を突きつけることが得意だ。

数年前、親戚がたくさん集まった機会に、私はタイニー・ハビットについて話し、祝福の考え方を説明した。ブレントおじさんは、「自分は祝福はしないから、その法則は誰にでもあてはまるものではない。もう結構だよ、BJ」とぶっきらぼうに口を挟んだ。

そこで私は彼に、裁判に勝てそうな証拠を見つけたときはどうしていたか聞いた。おじさんはにやりと笑い、人差し指を突き立て「ビンゴ!」と言った。

いかにも彼らしいしぐさに誰もが笑ったが、私は「それですよ! ビンゴって声に出すことが、おじさんの自然な祝福なんです」と言った。

読者のみなさん、私の気難しいおじでさえできたのだから、あなたもできる。いつも自然にやっていることを探せばいい。祝福は、声に出さなくても、しぐさをともなわなくてもかまわない。唯一のルールは、いい気分になれて、達成感が感じられる言動(心理的なものでも、実際の言動でも)であることだ。(中略)
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