「先延ばし癖」と縁を切る3つの科学。自滅ループは今日から断てる

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正直に答えてほしい。あなたはやるべきことに取りかかる(あるいは終わらせる)のに苦労していないだろうか? 「さあ、やるぞ」と自分に言い聞かせながら、ふと気づくと、ネットフリックスのドラマをワンシーズン一気見していたりしないだろうか?

でも、それはあなただけではない。

われわれはなぜ「先延ばし」するのか


『サイコロジー・トゥデイ』のサイトを見ると、先延ばしは人間全般に共通する傾向だそうだ。しょっちゅう先延ばししている人が生産性を高め、集中して目の前の仕事をしあげる秘訣は、やるべきことに意識を集め、最後までやり通す意志力を見つけ出すことだという。

誰でもときには物事を先延ばしすることがあるが、みんなが常習犯になるわけではないと、「先延ばし癖」に関するトップクラスの研究者で、『Still Procrastinating: The No Regrets Guide to Getting It Done.(まだ先延ばししているの? ──仕事をやり遂げるための後悔しないガイドブック、未訳)』の著者であるデポール大学心理学教授のジョゼフ・フェラーリは言う。彼が米国人を対象に調査したところ、常習犯はせいぜい20パーセントだった。

「先延ばし癖は時間の管理とはなんら関係がない」とフェラーリは言う。「いつも言っていることだが、先延ばしの常習犯に『さっさとやりなさい』と言うのは、うつ病の人に『元気を出せ』と言うようなものだ」

心理学者の知見によれば、先延ばしは時間管理の問題ではなく、対処メカニズムの問題であるという。人は物事を先延ばしすることで、気の進まない仕事を避け、代わりに一時的に気分が良くなることに手を出す。オタワにあるカールトン大学の教授で、先延ばしの研究を行っているティモシー・ピチルはこの回避行動を、“心地よさへの屈服”と呼んでいる。


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だが、やるべきことをやっていない現実への後ろめたさや罪悪感は、先延ばし癖をさらに助長し、自滅への悪循環を生じさせる。仕事は消えてくれないのだから、この癖が害を及ぼすようになる。そのうち目の前には終わらせるべき仕事しかなくなって、不愉快な気分がよみがえり、時間的制約から生じるストレスを抱えこんでしまう。

フェラーリと同様、ピチルも時間管理の問題ではないと言う。「それよりも、自分の感情とどう折り合うかの問題だ。感情をある程度コントロールできれば、仕事を継続して行えるからだ」
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翻訳・編集=高橋知子/S.K.Y.パブリッシング・石井節子

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