ビジネス

2021.07.11 07:30

GAPが欧州事業を大幅縮小、オンライン販売と「アスレタ」に集中


2ブランドに注力


ギャップは今後、事業をオールドネイビーとアスレタに集中させる。2021年末までに、少なくとも50店舗を開業する予定。2019年には55%だったこれら2ブランドの売上高が全体に占める割合を、2023年には70%とすることを目指している。

また、数年後にはアスレタを20億ドル(約2190億円)規模の事業に拡大することを目標としており、米国内では100店舗近くを開業し、合わせて300店舗程度とする考え。

アスレタのメアリー・ベス・ロートン最高経営責任者(CEO)は同ブランドについて、「高い利益をあげている」と説明。「オンライン部門が事業の50%以上を占め、さらに2桁台の成長を続けている」と述べている。

一方、オールドネイビーは、2019年末に80億ドルだった売上高を、2023年までに100億ドルに引き上げたいとしている。

欧州とは「長いお別れ」


ギャップは英国とアイルランド市場について、「今後もプレゼンスはぜひ維持したい」との考えだ。だが、2016年にはすでに、英国のバナナ・リパブリックの全店舗を閉鎖している。

既存のブランドと激しい競争に加え、オンラン販売のみで事業を展開するファッションブランドが増加している状況を考えれば、ギャップが全店舗を閉鎖した後に、同国内での売り上げを維持することは難しいだろう。

アナリストらは、北米における同社の今後の方針を前向きに評価している。一方、このほど明らかになった欧州での事業計画は、この地域との「長いお別れ」を意味するものとなりそうだ。

編集=木内涼子

ForbesBrandVoice

人気記事