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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

セラシオの共同CEOのカルロス・キャッシュマン

アマゾンは米国のECプラットフォームで40%の売り上げを占める。ならば、そこに出品している小売業者を手に入れればいい──。セラシオは2年間で1億ドル以上を使って100近い業者を買収し、売上総額は4億ドル以上に及ぶ。ヘイデイは投資機関から1億7500万ドルを調達し、10倍の成長が見込める第三者の小売業者を次々と買収した。

巨人アマゾンに立ち向かうのではなく、その莫大な利益のおこぼれにあずかろうというのだ。進んで身売りに手を挙げる業者は引きも切らない。買い手と売り手で展開される買収劇は、当分の間、加熱する一方だ。


アダム・セント・ジョージが立ち上げた柑橘系の香りがするペット用消臭剤ブランド「アングリー・オレンジ・オダー・エリミネーター」は創業4年にして、アマゾンを中心に年間200万ドル以上を売り上げる良好な業績を上げていた。

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アングリー・オレンジ、ペット用の消臭剤ブランド。セラシオによる買収後は、パッケージなどを変更し、年間売り上げを8倍となる1650万ドルにまで伸ばした。(同社インスタグラムより)

そこで事業を売却しようとオンライン・ブローカーに譲渡案件として登録したところ、数時間もしないうちに電話が鳴りやまなくなった。ブローカーや投資家を相手に延々と交渉を重ねることになり、戦いを制したのは消費財のスタートアップ「セラシオ(Thrasio)」だった。必ず翌日までに回答してほしいと言って条件概要書を送ってきたとき、登録から1週間もたっていなかった。

「彼らの反応は速かったです」とセント・ジョージ(52)は振り返る。2018年に想定を大きく上回る140万ドルで事業を売却することができた。「こんなに高く売れるなんて、もう、ぶっ飛びましたよ」。

とはいえ、この売却額も、その後セラシオが手にした利益の前にはかすんで見える。買収後ただちにアングリー・オレンジの事業内容にテコ入れしたセラシオは、年間売り上げを当初の8倍に当たる1650万ドルにまで伸ばしたからだ。

2人の連続起業家が18年7月に立ち上げたセラシオの目標はずばり、アマゾンのサードパーティセラー(第三者の小売業者)から事業を取得すること。同社は、過去2年間に1億ドル以上を使って100近い業者を買収し、売上総額を4億ドル以上へと伸ばしてきた。現在、米国最大のECプラットフォームであるアマゾンで、あらゆる商品を販売しており、その数は1万点以上になる。

共同創設者のカルロス・キャッシュマン(48)は次のように説明する。「(アマゾンは)起業家精神と起業家を生み出すことにかけては世界で最も有力です。で、次の段階として、(こうした出品事業が)一定の規模に達して状況があまりに複雑になり始めたら、われわれの出番なのです」

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パワー・プラクティカル、USBでチャージできる電子プラズマライターや、アウトドア、インテリアとマルチに活躍する、どこにでも取り付け可能なLEDライトなどを販売。(同社インスタグラムより)

文=ローレン・デブター イラストレーション=ブライアン・スタウファー 翻訳=フォーブス ジャパン編集部 編集=石橋俊澄

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