台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

ソフトバンクグループ会長の孫正義(Getty Images)

日本の通信大手でテクノロジー関連で盛んな投資を行うソフトバンクは、Eコマースとロボティクスへの投資を拡大している。

ソフトバンクは4月6日、Eコマース向けの倉庫のオートメーション化を行うノルウェー企業「AutoStore」の株式の40%を28億ドル(約3050億円)で取得すると発表した。AutoStoreによると、ソフトバンクは同社の企業価値を77億ドルと評価したという。

ソフトバンクは、AutoStoreのグローバルな拡大を、特にアジア太平洋地域に重点を置いて加速させていくという。

Eコマース市場が成長していることが、ソフトバンクの投資の主な理由であるとアナリストは考えている。ソフトバンク創業者の孫正義は声明で「AutoStoreのテクノロジーは、世界中の企業にとって、迅速でコスト効率の高い物流を可能にする基盤技術になる」と述べた。

調査会社グランドビューリサーチは、2019年の世界のEコマース市場が9兆9000億ドルで、2020年から2027年にかけて年平均成長率14.7%で拡大すると予測している。ガートナーのデジタル・コマース部門のサンディ・シェンは、パンデミックの影響で自宅で過ごす人が増えたことが、Eコマースの成長を後押ししていると述べた。

調査会社IHS Markitのラジブ・ビスワスは、世界の多くの国でロックダウンが行われたため、2020年のEコマースの売上は前年比27%増となったと述べている。さらにその前から、スマホや電子決済システムの普及によって、Eコマースの売上は「急速に」成長していたという。

ソフトバンクは、出資先の企業が協力して独自のエコシステムを構築することを望んでいる。ソフトバンクグループは、スプリントやヤフー・ジャパンなどのテクノロジー企業や、ハイテク分野に特化した投資会社のビジョン・ファンドを運営している。コンサルティング企業グローバル・テック・パートナーズによると、ビジョン・ファンドが支援する企業はエコシステムを形成し、ポートフォリオ全体の成長を促進していくという。

ビジョン・ファンドが投資した韓国のEコマース大手のクーパンは、そのエコシステムに貢献する可能性が高い企業として注目されている。3月にニューヨーク市場に上場したクーパンのIPOは、外国企業の米国でのIPOとしては2014年以降で最大となった。同社は2018年にビジョン・ファンドから20億ドルを調達していた。

世界のEコマース拡大はまだ続く


中国のEコマースはすでに飽和状態だが、「アジアの他の地域や欧州のEコマース市場はまだ成長するチャンスがある」と、ガートナーのシェンは話す。「パンデミックが発生したことで、その可能性はさらに高まった」と彼女は付け加えた。

自動化やその他の支援技術は、Eコマースと歩調を合わせて進化すると、IHS Markitのビスワスは予測する。AutoStoreは、世界各国に優良顧客を抱えており、35カ国に2万台のロボットを配置しているという。「世界のEコマース売上の拡大が続く中、この分野のテクノロジーへの投資はますます活発化し、オンラインショッピングのさらなる成長を促進していく」と、ビスワスは述べている。

編集=上田裕資

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