今回の判決で、3人の性的人身売買の被害者らが、フェイスブックを相手取って起こした民事訴訟の続行が認められた。被害者らは、性犯罪者たちがフェイスブックを用いて子供に接近する試みを、フェイスブックが阻止できなかったとして訴えていた。
フェイスブックは、通信品位法第230条に基づき、ユーザーがサイト上で発言した内容については責任を負わないと主張していた。この法律は、ユーザーがネット上で発言する内容についてプラットフォーム企業が責任を問われないよう保護するものだ。
テキサス州最高裁の判事らは、2018年に議会が230条の例外規定を可決し、州および連邦の人身売買法に違反したプラットフォームに対する民事訴訟を許可したため、フェイスブックの主張は無効だと判断した。
フェイスブックの広報担当者はフォーブスの取材に、判決文を精査し、「次のステップを検討する」と述べた。
「インターネット・プラットフォームが自らの不祥事について責任を負うことと、230条は全く別のものだ」とジミー・ブラックロック判事は裁判で述べた。
今回の判決は、他の訴訟にも影響を及ぼす可能性があると、SNS企業が性犯罪者たちからユーザーを保護していないことを訴えてきた弁護士のキャリー・ゴールドバーグは述べてる。
「この判決は、フェイスブックに多大な損失をもたらすことになり、ハイテク企業に改革の圧力をかける」彼女は述べ、フェイスブックが訴訟を回避できなくなれば、自動車メーカーやベビー用品のメーカーと同様に、プロダクトの安全性を高めることを求められると指摘した。
ゴールドバーグによると、テキサス州に続いて他の州でも同様の判決が下される可能性があるという。
フェイスブックは連邦最高裁判所に上訴することが可能だが、その場合最高裁は230条の例外規定についてさらに踏み込んだ判決を下す可能性があり、テック企業にとって重要な法的後ろ盾が損なわれる可能性がある。
「これを開放してしまうと、230条の適用範囲が狭められる可能性がある」と、米国海軍兵学校のサイバーセキュリティ法の教授のJeff Kosseffは述べた。彼は、クラレンス・トーマス判事が「230条はハイテク企業に有利なように、広く解釈されすぎている」と述べたことを指摘した。