サンフランシスコに拠点を置くギャップは、1987年に英国に進出。現在は2006年に最初の店舗を開業したアイルランドと合わせて、81店舗を運営している。だが、今年8月から9月末にかけて全店舗を閉鎖し、完全にオンライン販売に移行する方針だという。この計画によって1000人以上の雇用が失われるとみられている。
同社はこの決定について、問題を抱える事業を活性化するために打ち出した2023年までの経営戦略「パワープラン2023」に基づくものだと強調。声明で次のように説明している。
「パワープラン2023の一環として、昨年から欧州事業に関する戦略的見直しを開始した。同地域でのプレゼンスを維持し、顧客へのサービスを継続するため、新たな、よりコスト効率の高い方法を見つけることを目指している」
「フランス国内の店舗の売却については、フィナンシエール・イモビリエ・ボードレーズ(FIB)グループのハーマイオニー・ピープル・アンド・ブランズ(Hermione People and Brands)と協議中だ。イタリアでも、買い手の候補と話し合いを進めている」
パンデミックで打撃
ギャップはこれまで、フランチャイズ契約で展開している460以上の店舗とeコマースサイトを通じて、35カ国で事業を展開してきた。だが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受け、各地にあるバナナ・リパブリック(Banana Republic)、オールドネイビー(Old Navy)、アスレジャー・ブランドのアスレタ(Athleta)の店舗を相次ぎ閉鎖。2020年に204店舗の営業を終了した。
さらに、セレクトショップのインターミックス(Intermix)、子供服のジャニー アンド ジャック(Janie and Jack)を売却、メンズウェアのヒルシティ(HillCity)の事業を廃止した。
2024年1月までに、北米にあるギャップとバナナ・リパブリックの店舗の30%にあたる350店を閉鎖。全体に占めるショッピングモール内の店舗の割合を引き下げる計画だ。