ヴァジリー:NFTの登場により、クリエイターはクリエイター自身がパワーを持っていることに気がつきました。“オールドワールド”のエージェンシーがアイディアやクリエイティブを搾取していることに気がついたといってもいいでしょう。それがNFTが大きく伸びている理由です。私たちはこの現象を真面目にうけとめて、クリエイターが参加でき、ロイヤリティーを分配できる仕組みを作り、すでに450万ほどのクリエイティブプロダクトを生み出しています。これが“ニューワールド”です。
──既存のエージェンシーの価値がなくなりますね。
ヴァジリー:今後、契約キャンセルとかも出てくるでしょうね。
ベンワ:我々はティーンエイジャーとも仕事をしていますが(著者注中:冒頭の約3億で落札されたデジタルスニーカーは10代のクリエイターとのコラボである)、彼らは既存のエージェンシーで働きたいなんて思っていません。直接クリエイティブが発揮でき、ロイヤリティーの分配ができるRTFKTを選びます。
──RTFKTが生み出す世界を聞いていると、StockXで買って数回しか履かない靴がもったいなく感じてきました。
ヴァジリー:“ニューワールド”では、サステナビリティも意識していているので、大量生産・大量廃棄プロセスの既存ブランドの仕組みに対しても効果的です。ブロックチェーン上に存在するプロダクトが欲しければ落札し、必要に応じてARフィルターなどで試着をしたり、アバターに着せて、飽きたら出品すればいいのです。どうしてもフィジカルプロダクトが欲しい場合だけ追加料金を払ってカスタマイズプロダクトを入手すればいいので、地球環境に対しても優しいのです。
リー:もう一つ、時代的に良いのは、StockXって誰から渡ってきたのかわらかないので汚いですよね? NFT & ARは非接触なので菌や感染など気にする必要ないです。
ヴァジリー:“ニューワールド”の利点は、新たなビジネスモデルが作れるところにもあります。RTFKTのNFTスニーカーを一つ持っておくと、フィジカルなプロダクトをいくつも購入することができます、なので新たなディストリビューションモデルを作ることが可能です。NFTスニーカー保有者が販売する際にRTFKTに必要なフィーをお支払いしてくれれば良いだけです。
リー:我々の生み出す“ニューワールド”では、今まで個々のゲーム内で閉じていたデジタルアイテムを他のゲームでも使えるような仕組みも準備しています。例えばEpic Gamesのフォートナイトのスキンとして購入したスニーカーを、任天堂スイッチなど他のゲームでも使えるようになります。この仕組みを現在、大手ゲーム開発会社と組んで進めているのでご期待ください。
──ゲームの世界のアバターも私の分身ですものね。お気に入りのアイテムはゲームの垣根を超えて使えるようになる世界が待ち遠しいです!さて、どこに行けばRTFKTの活動を知ることができるのでしょうか?
ヴァジリー:主にツイッターで発信していますが、RTFKTは【ストリートウェア・ゲーム・アート】の領域を跨ぐ活動をしているのでパリのファッションイベントや、ロサンゼルスのストリートイベントComplexCon、ゲームカンファレンスのE3などで活動を見ることができます。あとは、ミュージアムやギャラリーでの展示も控えています。ロンドンでも近々展示予定です。
パゴット:我々自身、分散型でフィジカルなオフィスを持たない代わりにメタバース上のオフィスに居たり展示をしたりしているのでメタバース上でも会えます。我々のクリプトパンクのアイコンを探してください。