I study technology disruption in individuals, companies and societies.

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トルコ中央銀行は4月中旬、モノやサービスの購入決済で暗号資産(仮想通貨)の使用を禁止すると発表した。これは、暴落する自国の通貨リラから国民が逃亡するのを防ぐための不毛な動きだ(為替レートは、2012年の1リラ=0.45ユーロから、現在は0.10ユーロまで下落している)。最大野党はこの決定を批判している。

ビットコインの価格は一時的に変動したが、これは、ビットコインがどの国の政府の干渉も受けず、存在基盤は揺るがないことを理解していない一部の人々が、神経質な反応を示したからだ。価格発見プロセスが続いているため、今後数カ月にわたって価格の乱高下が続くと予想されるが、そうなれば、ビットコインのボラティリティについて、さらに憶測が飛び交うことだろう。

一方、かつて仮想通貨を禁止しようとした中国は、現在ははるかに先進的な姿勢を示している。中国人民銀行総裁は最近、仮想通貨は「投資における選択肢のひとつ」であると言及した。

この発言は、投機的な動きが生じるおそれのある価格設定フェーズに対する警戒と、仮想通貨の価値提案に関して次第に明らかになりつつある根拠を結びつけようとするものだ。そういった根拠には、機関投資家からの関心の高まり、大企業による購入、仮想通貨取引所コインベースのIPOといったものがある。

さらに英国では4月19日、イングランド銀行と財務省が共同で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)構想について検討するタスクフォースを立ち上げた。実現すればCBDCは、家庭や企業で使用される公式通貨として、現金や銀行預金と共存することになる(中国は、同様のデジタル人民元の取り組みを以前から進めている)。

英国のリシ・スーナック財務相が「ブリットコイン」と呼ぶこのデジタル通貨構想の具体的内容はほとんど明らかになっていないが、欧州中央銀行も、今後数カ月以内にデジタル通貨発行についての決定を下し、4年以内に流通を開始させる意向を示している。世界の中央銀行の86%が、こうした案を多少なりとも重要課題として検討している。こうした状況は、仮想通貨に対する脅威というよりも、むしろその利用を促すインセンティブになると見られている。

このように、「お金のデジタル化」が進行しつつあり、それは単なる電子決済手段を超えた、本物のデジタル通貨へと向かいつつある。これは、誰もが理解しておくべき、創造的破壊のプロセスだ。

過渡期においては、中央銀行が発行するデジタル通貨だけでなく、民間企業やその他の機関が発行するデジタル通貨など、さまざまな選択肢が登場するだろう。そして、より高い自由度で経済問題に取り組みたいと考える各国政府は、自国のデジタル通貨を自国に有利なかたちで利用しようとするだろう。そうしたなかで、ビットコインを中心とする仮想通貨の利用が、すべての人にとって最も合理的な選択だとみなされるようになっていくだろう。

お金のデジタル化は、もはや仮定の話ではなく、時間の問題だ。事態は急速に進展している。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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