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新型コロナウイルスの世界的大流行に終わりが近づいているとの期待が高まる中、国際金融機関各社は、従業員の出社を再開させるかどうかを思案し始めている。欧州の銀行の多くは、不動産使用スペースを減らし、遠隔勤務やフレキシブルなハイブリッド型勤務の本格導入を計画しているようだ。

不動産を手放す理由は2つある。1つ目は、主要都市の中心部にオフィスを構えるコストが高いこと。2つ目は、さまざまな理由から部分的あるいは全面的な遠隔勤務への移行を希望している人が多いことだ。昨年は遠隔勤務の実験の年としての役割を果たし、労働人口の大部分が遠隔勤務をしていてもビジネス継続は可能であることが示された。

欧州やアジアに大きな拠点がある英銀HSBCは、オフィススペースの約40%削減を目指すと表明。ノエル・クイン最高経営責任者(CEO)によると、英カナリーワーフの本社は残しつつ、ロンドン市内各地の拠点についてはリース契約を更新しないと発言した。

英銀ロイズ・バンキング・グループは、ハイブリッドモデルに移行している。同行はオフィススペースを今後2年で20%削減する予定だ。この背景には、ロイズの従業員約6万8000人の約77%が週3日以上の在宅勤務を希望したことがある。アントニオ・オルタオソリオCEOは、遠隔とオフィスのハイブリッド型勤務により、優秀な人材、特に上司や同僚の近くで働きたいと考える若者層を獲得できるかもしれないと述べている。

英銀バークレイズのジェス・ステーリーCEOは昨年4月、「7000人を1つの建物で勤務させるのはもう過去のものかもしれない」として遠隔勤務を支持していたが、最近には「遠隔勤務がここまでうまくいっていることは驚きだが、持続可能ではないと思う」と発言。同行は最近、英国で3度目となるロックダウン(都市封鎖)の長期化により在宅勤務の悪影響が表面化したことを受け、不動産の方針を大幅に変更する「計画はない」と表明している。

一方の米国では、投資銀行ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOが、社員をオフィスに戻したいと表明した。ソロモンは「革新的で、協働や見習いの制度が文化の一部である当社のような企業にとって、これ(遠隔勤務)は理想ではない。これはニューノーマル(新たな日常)ではなく、異常であり、われわれはできる限り早く是正する」と発言。同行で2020年にオフィス勤務していた従業員はわずか「10%未満」だったと指摘した。

編集=遠藤宗生

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