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米金融大手シティグループは今月発表した報告書で、仮想通貨ビットコインは現在、転換期にあり、間もなく国際商取引での主流通貨となる可能性があると指摘した。また、同じく大手国際金融機関のゴールドマン・サックスは、仮想通貨取引デスクの再開を決定。JPモルガンをはじめ多くの米金融機関も、ビットコインの取り扱い開始に前向きな姿勢を示している。

ビットコイン価格はこのところ乱高下が続いており、2月21日に5万7000ドルに達した後、4万5000ドルにまで下落。この背景には、イーロン・マスクやジャネット・イエレン米財務長官といった有力者の発言などがある。

テスラやスクエアなど、投資やキャッシュポジションのバランスを取る目的でビットコインを保有する方針を打ち出す企業が出てきたことで、国際金融システムにおける仮想通貨の行く末に関する不安が払拭され、仮想通貨市場が活発化した。

中でもスクエアは興味深く、同社の決済アプリ「キャッシュ・アップ」上でビットコインを扱えるようにしただけでなく、ビットコインへの大量投資も行っている。これは仮想通貨全般というよりも、特にビットコインにとって重大な動きだ。大手企業によるこのような動きは、仮想通貨の中でも特にビットコインが中心的存在として受け入れられる方向に傾いたことを示す。

イーロン・マスク自身も「仮想通貨に全財産を賭けないように」と忠告している通り、ビットコインの問題点は、これが本当に仮想通貨のスタンダードとなるのかどうかが今後しばらく分からないことにある。世界屈指の大富豪であるビル・ゲイツはビットコインへの投資について、それに伴うリスクを吸収できるようなイーロン・マスク並みの富豪でない限り推奨しないと述べている。どのような投資家であっても、今はそのリスクを覚悟する必要があるのだ。

一方で中国は、国産デジタル通貨の導入を進め、いわゆる「ステーブルコイン」を通じた緩やかな転換を目指しているようだ。これは多くの人から、市場を慣らす段階として見られている。一方で別意見として、既に90%が流通しているビットコインを筆頭とした仮想通貨は既に成熟期を迎え、本格導入が可能な段階にあり、導入されれば価値の安定化が進み、単なる投機対象とはなくなると主張する人もいる。

大企業に続き、国際的な金融機関までもが参入したことで、ビットコインは正念場に一歩近づいた。果たしてビットコインは、遠い昔に賞味期限切れとなった現行の非効率的な金融システムに代わる、特定のプレーヤーの管理下にない世界貨幣となれるのだろうか。

編集=遠藤宗生

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