──既存の世界のことを“オールドワールド”って呼ぶのですね。
パゴット:そうです。既存のブランドが数十年かけて作り上げたブランドの法則を我々はこの4ヶ月ほどで塗り替えています。まさにビフォー・アフターの切り替えのタイミングを作っています。
リー:例えて言うのであれば、ストリートファッションSupremeとビデオゲームスタジオが融合したようなものが我々です。
ヴァジリー:もしくは、デジタル時代のLVHMといってもいいかもしれないい。
リー:まず我々は、ゲーマーをターゲットにしています。既存のブランドがオタクのものだと切り捨てているゲームの世界に大きなポテンシャルがあると考えています。そしてゲーム世界をもっとクールにしたいと思っているのです。
まず、ゲームとスニーカーヘッズ(熱狂的なスニーカーファン)の世界をマージしようと考えました。よってCounter-StrikeやDota 2、フォートナイトなどのゲームやアニメの世界に出てくるスニーカーを調べ、マージし、熱狂的なファンが欲しいと思うアイテムを作り上げました。その結果は、NFTスニーカーが3.3億円と高額落札を例に現れています。
パゴット:私たち自身もゲームやアニメの世界にどっぷりとハマっているので、コレクターの方々から信頼もされています。既存のマーケティングのように顧客調査・分析などはせずに、コミュニティ全体として面白いと思うことをやり続けています。
リー:既存のブランドがゲームのIPをつかってお金儲けをしているのを、ゲームファンはちゃんと見ています。本当にゲーマーたちが欲しいものというものは、そういう見せかけだけのコラボレーションではなく、我々のようにゲームの世界で実際に履いたり、みんなに見せたりできるものであることにみんな気がつき始めているんです。
パゴット:我々ファウンダー3人はクリスが25歳、スティーブンが30歳、そして私が35歳なのですが、かれこれ15年一緒にアニメやゲームなどのギークカルチャーを共有してきています。例えば、遊戯王やポケモンなどのカードゲーム、私はAKIRAも好きだし、エヴァンゲリオン、ガンダムも好きです。様々な年代のゲームやアニメをマージできるのが我々の強み&生み出すカルチャーで、それがゲームファンからも信頼されている点なのです。
──先ほどの“オールドワールド”という発言が私のなかで引っかかってます。何が“オールドワールド”へのフラストレーションなのか?
パゴット:クリスも私も、ラグジュアルブランドやeSports関連大企業に勤めた経験があります。そこの問題点は、人々が熱狂しているタイミングからずれてしまっていることです。複雑なビジネスプロセス、古い時代の目標達成に縛られており、リリースしたときには市場が冷めているということを何度も経験しました。
RTFKTでは面白いアイディアがあれば、そのまま実行し、熱狂している市場に投入します。そうするとノーリミットに熱狂を拡大していける。また現在はテクノロジー、ツールがノーリミットに揃っている。RKFKTはレガシーをもたないので、未来だけを考えたクリエーションにフォーカスできます。