経済・社会

2021.03.24 08:00

ゴミ問題をデザインで解決 アムス発の取り組みが日本に期待すること


今回、東京・芝浦にあるコミュニティスペース、SHIBAURA HOUSEがWDCDのパートナーとして、日本・東京視点での運営を行っている。SHIBAURA HOUSEは、芝浦の空間を拠点に、行政、大使館、企業と連携してコミュニティ構築を手がけている。2019年には、WDCD代表のファンデルラーケンを招聘し、トークイベントも開催した。

また、SHIBAURA HOUSEは、オランダとの縁も深い。同社の代表取締役である伊東勝が、拠点設立にあたってアムステルダムを訪問。そのことがきっかけで、オランダ王国大使館とのつながりが生まれ、大使館と拠点の地理的な近さもあり、以降、連携しているという。


リチャード・ファンデルラーケンのトークイベント, SHIBAURA HOUSE(2019)(c) SHIBAURA HOUSE

アムステルダムは、循環型経済の先進都市だ。市は2050年までに、完全循環型の「サーキュラー・シティ」を達成するという目標を掲げている。昨年は、その運用・指標管理ツールとして、英経済学者ケイト・レイワースが考案した「ドーナツ」の枠組みを採用したことも話題となった。「ドーナツ」は、永続的なGDP成長を前提とした20世紀型の発展の結果生じた、環境破壊と格差を是正するためのオルタナティブな経済モデルである。

一方、今回の「ノー・ウェイスト・チャレンジ」では日本的なアプローチへの期待もあるようだ。たとえば、急速な経済発展以前にあった、日本的な昔ながらの暮らし。豊かな自然と共生する暮らし。環境負荷の少ないものづくりや、長く使える工芸品。日本の国土と風土を生かした暮らしや伝統的な生活様式のなかに、新しい課題解決のヒントがありそうだ。

連載:旅から読み解く「グローバルビジネスの矛盾と闘争」
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文=MAKI NAKATA

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