ゴミ問題をデザインで解決 アムス発の取り組みが日本に期待すること

ノー・ウェイスト・チャレンジ (c) What Design Can Do


こうした廃棄物の課題を解決するためには、ほしいままに資源を使い、大量生産、大量消費、大量廃棄するという直線的な流れを見直し、循環型経済を目指していくことが重要だ。

WDCDの「ノー・ウェイスト・チャレンジ」では、この循環型経済の流れにおける3つのプロセスとして、1. Take Less(資源の採取を抑える)、2. Make Better(よりよい生産)、3. Handle Smarter(適切な処理)を定義。それぞれのテーマに対して、課題解決のアイデアを募集している。


循環型経済への移行を目指す「ノー・ウェイスト・チャレンジ」のイメージ (c) What Design Can Do

「Take Less」では、過剰包装や消費に対してのマインドセットを改めるための斬新なアイデアが、「Make Better」では、長く使い続けられて、かつ自然環境の再生に貢献するようなものづくりのアイデアが期待される。「Handle Smarter」では、廃棄物そのものの削減や、資源化を促進する新たなデザイン・ソリューションが問われる。

「ノー・ウェイスト・チャレンジ」への応募は4月20日まで。WDCDでは、世界中の学生、起業家、そしてデザイナーなどから幅広くアイデアを募集しており、優勝すれば、プロジェクトを実行する資金として1万ユーロが提供される。

オランダWDCDと日本との関係


2011年に始動したWDCDは、社会変革のツールとしてのデザインの可能性を提唱しつづけてきた国際的なデザイン・プラットフォームだ。創始者はリチャード・ファンデルラーケン(Richard Van Der Laken)とペパイン・ズーバーグ(Pepijn Zurburg)。彼らは、ビジュアル・デザイン会社「De Designpolitie」、グラフィック・デザイン集団「Gorilla」の共同創業者でもある。

WDCDは、社会課題や環境問題の解決におけるデザインの重要性を訴え、これまでにさまざまなプロジェクトを実施してきた。これまでに、アムステルダム、サンパウロ、メキシコ・シティにおいて13回のデザイン会議を開催。また、ウェブサイトでのデザイン・ソリューションの発信や、本の出版も行っている。

2016年には難民問題、気候変動、児童虐待、クリーンエネルギーといった大きなテーマに対する課題解決のアイデアを募り、プロジェクトの実装支援などを行うデザイン・チャレンジをローンチ。今回の「ノー・ウェイスト・チャレンジ」もその一環だ。
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文=MAKI NAKATA

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