NBA Top Shotで話題の「NFT」は、日本のスポーツビジネスも変えるのか?


閑話休題。NBA Top Shotのビジネスモデルは、HashPostさんがmedium上で図に上手くまとめていて、解説も非常に分かりやすい。興味がある方は “NFTサービス図鑑 Vol.17「NBA Top Shot」” で検索してみて欲しい。

NFT化、4つのメリット


概要を理解できたところで、誰でも容易に閲覧でき、ソーシャルメディアでも簡単に共有出来てしまうたった10秒少々の動画に数千万円を超える値段が付くエコシステムは直感的に理解しづらいものがある。

価格高騰のメカニズムはさておき、NFTのスポーツビジネスへの活用を考えた場合、その本質的なメリットは主に以下の4つになると考えられる。

1. 資産劣化や盗難の防止


これはトレカをイメージして頂ければ分かると思うが、実際のカードの場合は所有者が管理しているため、その保存状態は個人の努力に依存する形になる。また、どんなに上手く保存していても経年劣化は避けられず、物理的に存在するため、盗難などに巻き込まれる恐れもある。

NFTの場合、資産がデジタル化されているうえ、その管理がブロックチェーン上でなされるため、資産劣化や盗難のリスクを排除できる。

2. 真正性の保証


物理的にモノとして存在する場合は偽造リスクがあり、詐欺などの犯罪に巻き込まれる恐れもある。ブロックチェーンによる管理でこうしたリスクを排除し、その真正性(本物であること)を容易に証明することができる。

3. 価値(希少性)の可視化


いつどのデジタルカードが何枚販売されたのかが容易に分かり、資産の希少性が可視化されている。マーケットプレイスに行けば再販価格が表示されているため、マニアでなくてもその希少価値を簡単に把握することができる。再販との相性が非常に良く、取引のハードルも低い。

4. 知的財産権(IP)の保護


全ての取引がブロックチェーン上で漏れなく記録・管理される。

NBA Top Shotでは販売・再販されるたびに取引額の5%がDapper Labsに手数料として納められる仕組みになっており、うち一定比率がNBAに分配される。

物理的なモノの場合、ユーザの手に渡ってしまった後は再販行動を補足することは困難であるが、NFTではこれを容易に行うことが可能だ。言い換えれば、転売される度に一定の手数料を確実に取ることで、クリエイターの知的財産権(IP)を保護することができる。

スポーツビジネス的には、チケット再販を自社の公式転売市場で完全に管理することに似ているとも言える。
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文=鈴木友也 編集=宇藤智子

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