フォーブス共同編集者

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3月11日に終了したクリスティーズのオークションで、ビープル(Beeple)と呼ばれるアーティストのデジタルアート作品が約6935万ドル(約75億円)という驚異的金額で落札された。

この作品はNFT(ノン・ファンジブル・トークン)に基づいたアート作品としては、史上最高額で落札され、ビープルは現代のアート界で最も価値ある作品を送り出す作家の一人となった。

ビープルの作品「5000 Days」は、2月25日から2週間にわたりオンラインで出品され、そのフィナーレを見るために数百万人がクリスティーズのサイトに殺到した。しかし、落札から約24時間の間、7000万ドル近い金額をこの作品に投じたのが誰なのかは謎に包まれていた。

CNBCは12日、今回のオークションの落札者が暗号通貨(仮想通貨)ファンドの「Metapurse」だったと報じた。同ファンドの共同経営者のTwobadourと名乗る人物は「私たちは、この作品が今の世代において最も重要なアートだと信じている」と述べた。

Metapurseというファンドは昨年、Twobadourともう一人の匿名の投資家Metakovanらが設立したものという。Metakovanは、古くからの暗号資産の投資家だとされている。

フォーブスの取材によると、Metapurseはシンガポール本拠のファンドで、11日に2人は別々の場所から協力して、5000 Daysを落札したという。彼らが入札を開始したのは終了時刻の5分前で、その頃に2000万ドル未満だった価格は6000万ドル以上に跳ね上がっていた。

オークションの終了時刻は、新たな入札が入るたびに何度も延長され、もう一人の落札候補者だった、暗号通貨「トロン」の創設者ジャスティン・サンを怒らせた。サンは11日夜のツイッターでクリスティーズを批判し、今後はオークションのルールを変更することを要求した。

最終的には、TwobadourとMetakovanの二人が勝者となった。「この作品は将来、10億ドルの価値を持つようになる」とTwobadourは述べている。

10億ドルといえば、2017年にレオナルド・ダ・ヴィンチの油絵「サルバトール・ムンディ(Salvator Mundi)」が記録した、美術品としては史上最高の落札額、4億5030万ドルの2倍以上だ。「私たちは、かなりお得な買い物ができたと思う」と2人は話している。

編集=上田裕資

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