スタンフォードで人気の「人生デザイン講座」 日本初のワークショップ体験記

講座を行うデイヴ・エヴァンス氏(c)Creative Live


人生プランを描く:オデッセイプラン〜プロトタイプ


これら5つのマインドセットを確認したら、ワークショップは、いよいよ実際に人生プランを描く過程へと進んでいく。これからの5年間の3通りの人生(冒険=オデッセイプラン)を考えてみる作業だ。

3通りのうち、1つは、今の自分の延長線上で無理なく進んだプラン、2つ目は1つ目の案がダメだったときのプラン、3つ目は、お金や人からどうみられるかを無視した、ぶっ飛んだ「ワイルドアイデア」をシートに書き込んでいく。それぞれのプランに短いタイトルをつけることもポイントだ。

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これから過ごす人生の5年間を、3通りのパターンで想像してみる

ここでのキーは、3つ目のアイデアだ。今回の参加者から出たアイデアのなかには、「若い男性と奔放に恋をして、世界中を旅して、昼からお酒を飲んで、カジノでギャンブルをしまくる」という人もいた。意外な答えにみんな笑ったが、その飛躍こそがいいらしい。

「今の自分が感じている人生の壁を打破できるアイデアは、実は3のワイルドアイデアと1や2の現実的な将来像との間に隠されていることが多い」と講師の武井氏が解説してくれた。ここで大事なのは、何通りもの自由な人生を歩む可能性が自分にはあるということを実感することなのだという。

ワーク後、参加者は「今自分が置かれている環境に熱中しているので、他の選択肢があまりにも思いつかなくて困惑した」「自分以外の人の人生プランを聞くと、絶対にできるよ!と思ったので、自分も同じように勝手に人生の可能性にふたをしてしまっているかもしれないと感じた。その思い込みをやめるだけですごくラクになりそう」と振り返っていた。

さらに、ここで考えた人生プランのプロトタイプをつくって、実際にプランを選んだときに生じそうな「疑問」や「問い」を考えてみるワークへ。「こういうことが知れたらいいな」という視点で問いを設定して、白紙に自分の名前と問いを1枚に1つずつ、用紙の一番上に書き出していく。チーム分の用紙を机の上に集めて、他チームと一緒に、一斉に1枚ずつとって15秒以内で問いに対する答えを書いていく、というものだ。

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「こういうことが知れたらいいな」という視点で、人生プランに問いを立てていく

自分の人生についての問いに答えを出すのは難しくても、他人の相談への答えは以外と簡単に答えが思いつくもの。今回のワークショップでも、みなあまり考えずに率直な答えをどんどんと書いていって盛り上がった。

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例えば「副業のメリットとは?」という疑問に、1人15秒でどんどんアイデアを書き込んでいく

このようなプロセスで、進むべき道へのアイデアをたくさん出すことが大切だ。そして最後に、その中から「選びとる」作業を進めていく。
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文・写真=松崎美和子

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